きっかけは気になる男子に言われた「まさかの一言」ファスティング体験談

体を整える新しい健康習慣として注目されているファスティングですが、皆さんはどのようなきっかけで始めているのでしょうか?ちなみに、この記事を書いている私は、当時付き合っていたパートナーに勧められるままに始めるという、なんとも人任せなきっかけでしたが、今も細々とファスティングを続けています。

「ファスコミ」はファスティングを楽しむ人々の場 = コミュニティになることを目指していますので、実際にファスティングを体験している「人」にもフォーカスしていきます。

今回お話を伺うのは、管理栄養士の武井香七さん。ご自身がファスティング愛好者であるだけではなく、管理栄養士の資格を生かして、ファスティング初心者にグループレッスンも行う武井さんに、ファスティングの魅力を教えていただきます。


武井 香七

帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科を卒業。横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院などを経て株式会社Wellness leadを設立し、栄養士事業と健康事業を行なっている。


Q 今日はお時間をいただきありがとうございます!武井さんは管理栄養士としてご活躍されていますが、ファスティング歴はどれくらいになりますか?

(インタビュー撮影写真)

武井 実は結構ファスティング歴は長くて、初体験は10年ほど前になります。当時は大学受験の真っ只中で、勉強などのストレスがあったことで暴飲暴食して太ってしまったんです。今の体重よりも12〜13キロくらい重かったですね。その時に、体の中をリセットしないといけないと思ったんです。あとは、当時から栄養士を目指していたので、「太っている栄養士は説得力ないな」と思ったんです。

日本の食事は欧米化したことで、日本人が消化できるレベルではない食事を日々摂取しています。今の人はそもそも食事量が多いんですよね。私は大学受験をする時から栄養士になりたいと思っていました。栄養士としてファスティングを体験することはプラスになるとも思い、1日、3日、5日のファスティングにチャレンジしてみました。ただ、結果としてはちょっと失敗してしまったんですけどね。

Q 受験太り対策をしてファスティングを始めたのがきっかけだったんですね。最初のチャレンジでは失敗してしまったということですが、原因は覚えていますか?

武井 ファスティングは、毒素をリセットするタイミングで好転反応が出ます。これを乗り越えるとファスティングの効果を実感できるところまで辿り着きますが、この好転反応で挫折してしまいました。

当時は、十分な知識もなく、手探りでやっていたので、ちゃんと酵素を取れていなかったり、準備期間と回復期間の取り方が十分ではなかったんです。

Q しっかりとした知識がない状態でやったことで、うまく行かなかったんですね。

武井 その通りです。ファスティング初心者が5日間くらいのファスティングをする場合は、専門医や専門の栄養士、ファスティングを専門にしている人と一緒に行った方がいいと思います。私の実体験からそう感じます。

Q 初めてのファスティングをプロと一緒に始めるのは確かに安心ですね。現在はどのようなファスティングライフを送っているんですか?

武井 私のファスティングはダイエット目的で始まりましたが、今は健康維持を主な目的にして続けています。最近では1日ファスティングや16時間ファスティングなど、短い期間のファスティングを1ヶ月に1回やっていますね。長期間のファスティングは1年に1回くらいやります。

Q ダイエット目的でファスティングを始めた時のきっかけはあったんですか?

(ダイエットのBefore / After  武井さん提供)

武井 これは今でも鮮明に覚えているんですけど、当時私が気になっていた男子に「あいつデブじゃね?」と言われたのが、とてもとてもショックで・・・この一言がきっかけでダイエットを決意したんです。私はなんでも自分で体験しないと納得しない性格なので、当時話題になっていたダイエット方法は一通り全部やったと思います。りんごダイエット、朝バナナダイエット、納豆ダイエット、キャベツ1玉ダイエットなど、1年かけてやっていきました。この時に試したダイエット方法の中にファスティングがあったんです。

Q まさに一念発起という感じですね。ファスティングに挑戦することに不安はなかったんですか?

武井 あまりありませんでしたね。当時は断食道場という名前で、色々と施設があったんです。今は断食道場という名称から、リトリート合宿と呼ばれるものになっていることもあります。ファスティングに初めて挑戦した時、私は学生でしたので、学生が買える酵素を買ってきてファスティングを行いましたね。

体重が増加していた当時は、1日5食食べていました。朝起きて午前6時に食べる。そして正午ごろにお昼ご飯、14時過ぎにはおやつ、そして夜ご飯を食べて、夜食には焼きそばなどが出てくる。実家に住んでいたので、母が勉強中の差し入れをしてくれるんですよね。これが美味しくて、まあ案の定太ってしまったというわけです。MAXで58kgまで増えましたが、1年ちょっとで42kgまで減量しました。ただ急に痩せたので肉割れが出てしまったんですけどね。

この減量のすべてがファスティングの効果ではなく、いろいろなダイエットの相乗効果だと思っていますが、ファスティングによる効果はあったと思います。

Q ファスティングの目的だったダイエットに見事成功したわけですが、辛かったことはありましたか?

武井 長期ファスティングと言われるのは、5日以上の長さです。長期ファスティングに差し掛かる時は辛すぎましたよ。そもそも食べるのが大好きなタイプなので、食べられないことが何よりも辛かったです。栄養士を目指したのも、食事が大好きだから。そんな私が食事をしないというのは何だろう?と思いました。

今もファスティングを健康維持として続けていますが、やっぱり食べていない時は辛いなぁと感じる時がありますよ。

Q 食事が好きであれば尚更辛いですよね。辛い時を乗り切るコツはあるんですか?

武井 私の場合は、落ち着く時間を無くして、常に予定を入れてスケジュールを詰めていきますね。例えば、朝6時から老人ホームに向かって栄養士としての仕事をして、そのあとは発注業務をやって、移動してから打ち合わせを3件こなして家に帰るとクタクタな状態なわけです。そうすると空腹に悩む間もなく1日が終わるという。

Q それはかなりの力技ですね(笑)

(インタビュー撮影写真)

武井 そうですね(笑)ただ、多忙にすることで、交感神経が優位になりますので、そういった意味でも空腹感がなくなるのかなとは思います。

Q ファスティングをやっていて楽しい瞬間はありますか?

武井 体が軽くなるのを感じると幸せになりますね。あとは、宿便が出た時とかですね。肌や髪の質が良くなったことも楽しい瞬間だと思います。ショートファスティングは水分が最初出てくるので、体重が最初落ちたって感覚は出るので嬉しいところです。成果を感じやすいことは続けるモチベーションに繋がりやすいですよね。

Q 確かに成果が出るとモチベーションにはなりますね。他にファスティングを継続するポイントはありますか?

武井 常に人前に出ることが大事だと思います。人に見られていないと、自分のことを気にしなくなるので。人前に出る機会がなくなると頑張るモチベーションがなくなると思います。リモートワークばかりしていると、そんなに見た目に気合いって入らないですよね?それと同じだと思います。

Q 最近は、グループでファスティング体験することも増えてきましたが、いい影響はあると思いますか?

武井 いい影響はあると思いますよ。人は1人だと寂しいですし、不安になる時がありますからね。チームダイエットも同じ理屈で受けているのだと思います。台湾にチームダイエットで有名な人がいて、参加者をzoomで繋いで集めるんです。それだけで成功率が高くなるんですよね。

(インタビュー撮影写真)

Q これからファスティングを始める人に伝えたいことはありますか?

やりたいと思ってもできない人は、酵素を飲んでみるだけとか、気楽なことから始めたらいいと思います。ちょっとでもやりたいならやるべき!行動に移してみると、こんなものかと思いますから。やったことがないものって未知数で怖いですけど、サーフィンとか危なさそうだけど意外とできちゃった、とかあるじゃないですか。ファスティングも同じだと思いますので、気楽に考えてやってみてください!

まとめ

今回の記事は、7年間ファスティングを続ける管理栄養士の武井香七さんに、ファスティングを始めたきっかけや魅力などについてお話を伺いました。武井さんのリアルな体験エピソードは、ファスティングを始めることを迷っている人や、何となく不安を感じる人にとっても参考になる情報だと思います。

記事を見てファスティングに興味を持った人は、ぜひ一度ファスティングをやってみてはいかがでしょうか?


この記事の監修ドクター

名前 中路 幸之助 
所属 医療法人愛晋会中江病院 内視鏡治療センター

経歴 1991年に兵庫医科大学を卒業後、 兵庫医科大学、獨協医科大学を経て、1998年 医療法人協和会に所属。 2003年から現在まで、医療法人愛晋会中江病院の内視鏡治療センターで臨床に従事している。 専門分野はカプセル内視鏡・消化器内視鏡・消化器病。学会活動や論文執筆も積極的に行っており、日本内科学会総合内科専門医・指導医、日本消化器病学会専門医・指導医・学会評議員、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・学術評議員、日本消化管学会代議員・近畿支部幹事、日本カプセル内視鏡学会認定医・指導医・代議員を務めているほか、 米国内科学会(ACP)の上席会員(Fellow)でもある。


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