「健康寿命を真の寿命に」ファスティングのプロが語る健康への思い
この記事の監修ドクター

名前 五藤 良将(ごとう よしまさ)
医療法人社団五良会 竹内内科小児科医院院長、医療法人社団五良会理事長
千葉県立東葛飾高校卒、防衛医科大学校医学部卒。その後に自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどの勤務を経て2019年9月に継承開業に至る。
体を整える新しい健康習慣として注目されているファスティングですが、ファスティングを世の中に普及させるために日々尽力している『ファスティングのプロ』がいることをご存じですか?
今回お話を伺ったのは、「オプティマムファスティング」という独自のファスティングを開発・提供している株式会社サムライフ代表取締役の坂田武士さんです。薬剤師として医療側から人々の健康に携わってきた坂田さんがファスティングにかける熱い思いを伺いました。

株式会社サムライフ代表取締役 坂田武士さん
profile
昭和大学薬学部薬学科を卒業後、国家資格薬剤師免許を取得。製薬企業の医薬情報担当者や、特別養護老人ホームの施設長など、医療・介護の現場でキャリアを積み、2009年に株式会社サムライフ設立し、個人・法人のお客様に対して独自のオーダーメイドカウンセリングを提供している。病気や不定愁訴の原因の追求や、効果的な対策と具体的な実践の提案、継続したフォローにより、薬を使わない薬剤師として病気や寝たきりにならない生き方を推奨する。
一般社団法人日本予防医学マイスター協会の代表理事や、一般社団法人 日本先進医療臨床研究会の理事も務める。著書は『4日間で脂肪だけをキレイに落とす本 筋肉を落とさず健康的にやせる!』『薬をすすめない薬剤師が教える 脱・薬健康法』。
――本日はよろしくお願いいたします!坂田さんは、ファスティング業界の中では大変有名な方ですが、本日はインタビューに協力いただきありがとうございます!
坂田さん いえいえ、こちらこそよろしくお願いします。
――早速お話を伺っていきたいのですが、坂田さんがファスティングに注目したきっかけを教えてください。
坂田さん 私の会社のミッションは、「健康寿命を真の寿命に」です。現在の日本は人生100年時代と言われていますが、健康でいたら人生の最後に何をしますか、ということを追求していきたいと思っています。今の日本の現実に目を向けると、人生の最後に病気や寝たきりになった結果、一回きりしかない人生を後悔する人が多くいらっしゃいます。
私は元々医療従事者だったので、健康寿命と平均寿命の差が男性は8年、女性は12年あることをよく理解しています。つまり、人生の最後にこの期間は医療を受けて健康ではない状態が存在しているのです。「これはいい状態ではないな」と強く思いました。日本の死因は、2022年統計では1位がん(26.6%)、2位心疾患(15.0%)が、2つ合わせると全体の約40%を占めます。[1]
つまり、5人に2人は、がんや心疾患になって亡くなっているんです。もちろん脳血管疾患や肺炎などで亡くなる人も多いです。こうした病気は生活習慣が悪化することも1つの要因です。つまり、生活習慣を正せば、病気になりにくいとも言えると思います。
生活習慣の悪化をめぐっては、太っていくということが大きな問題です。人間の何十億年の歴史では、飢餓の時代がほとんどでした。ところが今は飽食の時代になっていて、脂肪が無駄についています。

生活習慣を正して適切な体重にすると、若さと健康が手に入るので、ダイエットが流行ります。しかし、ダイエットビジネスにダイエットしたい人が巻き込まれで[2] 、痩せては太ることを繰り返しているのを問題視していました。私は本当に正しいダイエットを提唱して、痩せたらリバウンドしないプログラムを作るのが1番の目的だったのです。
そこで、筋肉を落とさずに脂肪だけを落とすダイエットメソッドを考えました。この方法は習慣形成をしないといけないので、短期ではできません。すると、短期ですぐ結果が出る方法も欲しいというリクエストをいただき、4日や7日間という短い期間でも結果が出るものを作った。それが私の提供しているオプティマムファスティングで[3] す。
【オプティマムファスティングの特徴】
・ホエイプロテインと豆乳を使用することでアミノ酸をバランスよく補給。ファスティング中も筋肉や体内酵素の合成が促進される。
・豆乳や米麹の甘酒から必須脂肪酸やアミノ酸、ビタミンB群、鉄、オリゴ糖などを補給することでエネルギー代謝を上げる。胃腸を休めつつオリゴ糖の働きで腸内環境も整う。
・砂糖不使用の米麹による甘酒から自然な糖質を補給し血糖値の急上昇を防ぐ。
・たんぱく質と適量の糖質を補うので満腹感が高く、空腹感を感じにくいので無理なく続けられる。[4]
【オプティマムファスティングの方法】
ドリンクの材料
●プロテイン(ホエイプロテイン)…20〜25g<最も体に吸収されやすい、動物性の「ホエイプロテイン」を選ぶこと)
●無調整豆乳…300ml<無調整豆乳を選ぶ。砂糖が入っている調整豆乳はNG>
●米麹の甘酒(砂糖不使用)…100ml<砂糖不使用の米麹甘酒を選ぶ。砂糖で甘みがつけられた酒粕の甘酒はNG>
作り方
1 プロテインシェイカーに豆乳、甘酒を入れ、プロテインを加える。冷えやすい人は豆乳を温めて加えてもOK。甘酒も温めてもいいが、加熱しすぎると麹菌が失われるので、飲んだとき心地いい程度の温かさまでに抑えて。
2 フタをしっかり閉じ、よく振って混ぜる。
ファスティングの方法
1日目 準備期
朝食 和食(魚が中心)
昼食 和食(魚が中心)
夕食 ファスティングドリンク
※ビタミンB群やマルチビタミン・ミネラル、オメガ3系脂肪酸、L-カルニチンサプリメントも摂取する。
2日目、3日目 断食期
朝食 ファスティングドリンク
昼食 ファスティングドリンク
夕食 ファスティングドリンク
※ビタミンB群やマルチビタミン・ミネラル、オメガ3系脂肪酸、L-カルニチンサプリメントを摂取する。また1日に7g、自然海塩をなめてミネラルも補給する。
4日目 回復期
朝食 果物、生野菜(市販ドレッシングを使わない)
昼食 おかゆ(トッピングは梅干し、かつお節、しらすなど)
夕食 ファスティングドリンク
※ビタミンB群やマルチビタミン・ミネラル、オメガ3系脂肪酸、L-カルニチンサプリメントも摂取する。[5]
――オプティマムファスティングは、多くの方が体験している人気メニューになっていますよね。オプティマムファスティング[6] について紹介いただいてもよろしいでしょうか?
坂田さん ファスティングという言葉が数年前から認知されてきて、ダイエット法や健康法として広まってきましたよね。私は、薬剤師として元々医療や口に入れるものの知見があったので、現代で流行っているファスティングの問題点や課題点を感じていました。
弊社が予防医学の観点でカウンセリングをする中で、間違った健康法やダイエットに手を出す人が多くいたからです。痩せたがリバウンドした、といった悩みや、やっている時は結果が出たけれど終わったら体調を崩したり、肌が荒れるなどの相談を受けていました。そうした中で、私が、現代に合った問題が起こらないファスティングを考えようということで考案したのがオプティマムファスティングです。オプティマムヘルスという言葉は、近年使われているヘルスケアのキーワードでありますが、オプティマムは最適・最善・最高という意味を持っています。
――具体的にはどのような内容なのでしょうか?
坂田さん 腸の消化活動を休ませることが、ファスティングの1番のポイントです。そのため、液体で、かつ消化に負担をかけずに、必要な栄養素を摂ることが重要と考えました。これに加えて、生きている酵素を摂ることにもこだわりました。そこで辿り着いたのが、甘酒です。それも、麹だけで作る甘酒です。加熱殺菌を適度な温度で行って麹菌が生きて残っている甘酒を使っています。麹は飲む点滴とも言われていて、麹菌の中にはビタミンなどの栄養素が入っています。しかし、甘酒もカロリーバランスで見ると糖質だけですから、ここにタンパク質と脂質が摂れるものとして豆乳を併用しています。これも調整なしの大豆100%の豆乳です。豆乳には、大豆脂質と大豆蛋白が含まれますし、そのほかにもイソフラボンや鉄分、必要なミネラルが入っているので体に大変いいです。
一部の酵素ドリンクジュースは1本1万円ほどする高価なものもありますが、甘酒と豆乳はそれぞれ数百円程度で購入できます。これらをオプティマムファスティングでは、スペシャルドリンクとして定義させてもらいました。
ーー私たちはファスティングが一時のブームではなくて、カルチャーとして日本に定着して欲しいと考えています。このために必要なことは何でしょうか?

坂田さん 教育が必要だと思っています。昔は医者に聞けばなんでも解決するという文化がありました。病気になったら病院に行けばいいという考え方です。
日本は医療保険が充実している国ですので、海外に比べて安く医療が受けられる環境が整っています。子供の医療費は無償化され、何かあったら医療機関を受診して先生から学ぶ形を取っています。
現代は、SNSやネットが発達してきて、医者じゃなくても検索できる時代です。健康になるために、医者以外でも情報が得られるようになりました。その一方で、情報が多くなりすぎて、間違った情報をキャッチして間違えた行動をする、いわゆる“情報弱者”と呼ばれる人も出てきています。また、広告宣伝に踊らされて本質を見失う人も増えています。
国民の健康リテラシー、情報収集リテラシーが低いことに対しては、医療従事者として大きな懸念を抱いています。
正しい知識を持っていれば正しい行動ができると思うのです。正しい知識というのは流行りとかではなくて、人間本来持っている生理機能や栄養学の考え方など、根本的な知識です。しっかりとした知識をつければ、広告宣伝に踊らされないと思っていますので、多くの人に学んで欲しいと思っています。
――確かに、情報リテラシーや健康リテラシーはとても大切です。坂田さんは、ファスティングを通してどのような社会を変えていきたいと考えていますか?
坂田さん 先ほども申し上げましたが、私たちの会社のミッションは「健康寿命を真の寿命に」です。病気寝たきりにならずに、1回きりの人生を輝かしく生きるのが皆さんの目標だと思います。
厚生労働省の統計に老衰死というものがあるが、私はこれこそが1回の人生を全うする生き方なのだと思っています。老衰死は現時点での死因の3位です。死亡者割合は10.6%(厚労省「人口動態統計」2022年)です。[7] 別の言い方をすれば、9人に1人が老衰死している、という状態ですね。私はこの老衰死を、日本の死因の1位にしたいのです。
「日本人は老衰で亡くなる人が圧倒的に多いよね」という状態になれば、健康寿命と平均寿命のギャップ期間で発生する医療費も抑制することができます。その結果、増え続けている社会保障費負担の増加も解消できると考えています。また、医療従事者も対処療法ではなくて、どうやったら病気にならないかを提案する方向にシフトします。このように日本を変えていきたいと思います。
――ファスティングを起点に、社会保障費の抑制までコミットするのは、大きなビジョンですね。坂田さんは、どのような人にファスティングを実践してもらいたいですか?

坂田さん 日本全国民に知っていただきたいですし、1回は体験していただくと本質がわかると思います。予防意識が高い人にはぜひ知っていただきたいし、やっていただきたいです。私は長い人生で、自分と向き合って体質改善や肌質改善するというタイミングは人それぞれだと思います。私たちのオプティマムファスティングを知ってすぐには体験しなくても、いつかやってみようと思った時に挑戦してもらえればいいです。まずは私たちのオプティマムファスティングという選択肢があることを知ってください。
まとめ
今回の記事は、株式会社サムライフ代表取締役の坂田武士さんにお話を伺いました。記事を見てファスティングに興味を持った人は、ぜひ一度ファスティングを試してみてはいかがでしょうか?

この記事は、医療健康情報を含むコンテンツを公開前の段階で専門医がオンライン上で確認する「メディコレWEB」の認証を受けています