「仕事や家事ですぐに疲れてしまう」「いつも身体がだるい」
という人は、もしかしたら毎日の食事に原因があるのかもしれません。疲れにくい体をつくるためには、食事がとても重要です。
そこで、今回は疲労回復におすすめの食べ物やレシピについて解説します。
最後に、疲労回復のために取り入れたい習慣についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
身体がだるい…疲れやすくなる食事とは?
まずは、疲れやすくなる食事の傾向について解説します。
普段の食事で当てはまるものがないか、自身でチェックしてみてください。
もし該当する習慣があれば、すぐに見直しましょう。
タンパク質が多い
タンパク質は、私たちの体を構成する重要な栄養素です。
しかし、過剰なタンパク質は体に悪影響を及ぼすことをご存知でしょうか。
順を追って説明します。
まず、私たちは酵素がなければ生きていけません。
逆を言えば、体内に酵素が豊富にあれば、生命エネルギーが高まり、疲れやすさを感じにくくなります。そんな中、タンパク質を過剰に摂取すると、消化のために酵素が大量に消費されてしまいます。
肉類や乳製品などからばかりタンパク質を摂ると、タンパク質の過剰摂取につながりやすいので注意しましょう。
酸化した脂をよく摂る
酸化とは、物質が酸素と結びつくことです。わかりやすく言うと、「錆びる」ということです。
食べ物が錆びるというとイメージが湧かないかもしれませんが、皮を剥いて時間が経ったリンゴが茶色く変色する様子を見たことがあるでしょう。これも、酸化の一例です。
酸化したものを食べると、体内に活性酸素を生じさせる原因になります。
中でも、最も酸化しやすい食べ物が「脂(油)」です。
家庭内で、揚げ物をしたあとの油を使い回すことはないでしょうか。一度使用した油は、どんどん酸化が進んでいきます。使用後の油は、速やかに処理しましょう。
また、市販の揚げ物も、調理後の酸化が進んでいる可能性が高いので避けてください。
よく噛まない
よく噛まずに食事をすると、体内酵素の浪費につながります。
あまり噛まずに飲み込んでしまうと、消化や吸収がスムーズに行われなくなり、余分な酵素が必要になるからです。
また、噛む回数が少ないと、満腹感を感じづらくなることがわかっています。自然と食べる量が増え、そのぶん消化に必要な酵素の量も増えてしまいます。
酵素の浪費を抑えるためにも、1口あたり30〜50回くらい噛むように心がけましょう。
食物繊維が不足している
腸内環境を整えることは、余計な毒素の発生を防ぐことで体内酵素の消耗を防ぎ、酵素の消耗を抑えることにつながります。腸内環境を整える栄養素として、有名なのが食物繊維です。
食物繊維は便秘を解消するだけでなく、腸内細菌のバランスを改善する効果があることもわかっています。食物繊維が不足してしまうことは、腸内環境の悪化の原因にもなります。
腸内環境が悪化することで酵素の働きも悪くなり、体がイキイキと活動できなくなってしまうのです。
しかし、食事の欧米化に伴い、現代ではほとんどの日本人が食物繊維を十分に摂取できていないと考えられています。
食物繊維の不足は、現代人が疲れやすさを感じる要因であると言えるでしょう。
ビタミン・ミネラルが不足している
ビタミンやミネラルは、酵素の働きを助けることから「補酵素」と呼ばれています。これらが不足すると、酵素の働きは低下し、生命活動に支障をきたしてしまいます。
特に、ミネラルの不足は体のだるさや、疲れがとれないといった不調に大きく影響します。
また、ビタミンのなかには、優れた抗酸化作用をもつものがあります。
この抗酸化作用が、体内の活性酸素を取り除くためには欠かせません。ビタミンが不足してしまうと体内に活性酸素が溜まり、疲労の原因になってしまいます。
疲労改善におすすめの食べ物
それでは、疲労改善には、どのような食べ物が効果的なのでしょうか。
おすすめの食べ物をいくつかご紹介します。
海藻類
海藻類は、食物繊維を多く含む代表的な食べ物です。海藻類の乾燥させた重量のうち、50〜60%は食物繊維が占めています。
コンブやワカメなどの海藻類を、積極的に摂取しましょう。
なお、食物繊維を含む食品は繊維質なものが多く、よく噛むことになるため少量でも満腹感を得やすく、食べすぎ防止にもつながります。
食べすぎないことは、消化に関わる酵素の節約につながります。
良質な穀物を摂る
穀物は、植物の種にあたる部分であり、多くの酵素を含んでいます。
しかし、皮の部分に多くの酵素が含まれているため、精製された穀物ではあまり意味がありません。玄米や全粒粉など、未精製の良質な穀物を摂るよう心がけましょう。
ファイトケミカルが多い食べ物
高い抗酸化作用があることで注目されているのが、「ファイトケミカル」です。
植物の色素や香りといった機能性成分のことです。
有名なものでは、トマトに含まれるリコピンや、大豆に含まれるイソフラボンなどがあります。
疲労の原因となる活性酸素を取り除く効果が期待されることから、積極的に摂取したい栄養素です。
【新谷酵素おすすめ】絶品レシピを紹介!
さて、ここで新谷酵素がおすすめする、疲労回復のための絶品レシピをご紹介します。
どれも簡単に作れるので、ぜひ献立に取り入れてみてください。
いわしの梅しょうゆ煮
作り方
①いわしのウロコを取り除き、頭を切り落としたら、内臓をはずしてきれいにする。
②鍋に梅干し、しょうゆ、みりん、水、薄切りにしたしょうがを入れて中火にかける。
③煮立ったら①のいわしを並べ、弱火で15〜20分煮る。
④落とし蓋をし、時々煮汁をかけながら味を全体になじませる。
⑤鍋の中身を皿に盛り、千切りにしたきゅうりを添える。
かつおののっけもり
作り方
①玉ねぎは薄切りにして水にさらし、皿に平たく盛る。
②みょうがとにんにくら薄切りに、青じそとしょうがは細切りに、細ねぎは小口切りにする。
③かつおを7mm〜1cmの厚さにスライスして①の上に盛ったら、②を全体にバランスよく散らし、ポン酢をまわしかける。
わかたけ煮
作り方
①たけのこの水煮はくし切りにし、生わかめは洗ってざく切りにしておく。
②鍋にだし、酒、きび糖、しょうゆ、みりん、たけのこを入れ、ふたをして弱火で20分煮る。
③塩で味を調えてわかめを加え、1〜2分温めて火を止める。
温かいまま食べても、冷やして食べてもOK。
あれば、木の芽を飾るとなおよいです。
あわせて行いたい疲労回復にすべきこと
最後に、疲労回復のためにあわせて行いたいことをご紹介します。
どれも特別な準備は必要ないので、ぜひ実践してみてください。
適度な運動
運動をすると、さらに体が疲れてしまうと思うかもしれませんが、そんなことはありません。
むしろ、疲労回復のために運動は欠かせない習慣です。運動をすることで血行がよくなり、体温が上がり、生命活動に必要な体内酵素の活性化が期待できます。
ただし、激しい運動は禁物です。
激しすぎる運動は、体内に活性酸素を発生させてしまうので、かえって体によくありません。あくまでも「適度」な運動を心がけましょう。
適度な運動とは、以下の条件を満たす運動のことです。
- 呼吸があまり乱れない
- 楽しく続けられる
- 軽く汗をかく程度に、体が温まる
- 心拍数が1分間に90〜100くらい
例えば、ウォーキングやストレッチなどの運動がおすすめです。
もしも運動を終えたときに疲労感を感じるようであれば、それは運動の「しすぎ」に該当します。無理なく続けられる、適度な運動を習慣にしましょう。
朝にファスティングを行う
朝にファスティングを行うことも、酵素の消耗を防ぎ、疲労回復につながるのでおすすめです。
「ファスティング」というと、何も食べないことをイメージするかもしれません。
しかし、そうではなく、必要な栄養素は「ファスティング」中であってもしっかりと摂るべきなのです。
それでは、朝の「ファスティング」のやり方をご紹介します。
常温の良い水を500ml飲む
まず、朝起きたら500ml程度のよい水を飲みましょう。
このとき、一気飲みするのではなく、5分くらい時間をかけて、ゆっくりと飲んでください。
ここでいう「良い水」とは、還元力の高い水のことです。
例えば、マグネシウムやカルシウム、鉄、銅、フッ素などのミネラルがバランスよく入った硬水がおすすめです。はじめのうちは、これらが入った市販のミネラルウォーターを利用するのもよいでしょう。
ただし、冷たい水は腸を冷やしてしまいます。腸の不調につながってしまうので、ペットボトルを利用する場合であっても、必ず常温の水を飲むようにしてください。
最近では、有害物質を除去できる浄水器も販売されています。そういった商品を活用していれば、水道水でも問題ありません。
心配な人は、質のよい天然塩をひとつまみ加えると、塩素が中和されるのでおすすめです。
季節の野菜や果物を生のまま食べる
次に、よい水で体が目覚めてきたら、リンゴや柑橘類など、季節の果物を1〜2種類食べましょう。旬のものは、酵素をはじめとして、自然のままのバランスで栄養素が豊富に含まれているのでおすすめです。
これだけではお腹が空いてしまうという人は、腹持ちのよいバナナを食べるとよいでしょう。とにかく、「朝は加熱したものを食べない」というのがポイントです。
加熱調理された食品は、消化する際に腸に余分な負担をかける原因になります。それに対し、野菜や果物などを生で食べると、食材自体に含まれる酵素が、腸で行う消化を助けてくれるのです。
また、時間がある人は、果物のほかにボウル1杯分のサラダを食べてもよいでしょう。
サラダに使う野菜も、季節のものがおすすめです。
ただし、野菜は果物に比べると繊維質なので、よく噛んで食べてください。
また、市販のドレッシングの使用は避けて、酢や塩、エクストラバージンオイルなどで味つけをするとよりよいでしょう。
タバコ・飲酒を控える
喫煙や飲酒は、言うまでもなく控えるべき習慣です。
タバコにはタールという有害物質が含まれていることは有名ですが、それ以外にもカドミウム、ニトロソアミン、ホルムアルデヒドなど数多くの有害物質が含まれています。
喫煙は肺にダメージを与えるだけでなく、全身の毛細血管を収縮させてしまいます。すると、水分や栄養、酸素などが全身に行き届かなくなり、血液やリンパの流れが阻害されます。老廃物が排出できなくなり、体内で大量の活性酸素が発生してしまいます。
さらに、タバコの最大の問題は、主流煙よりも毒性の強い副流煙の存在です。本人の健康だけでなく、周りの人の健康まで害していることを決して忘れてはいけません。
一方、お酒は肝臓にダメージを与えることで有名ですが、タバコと同様に、体内に大量の活性酸素を生じさせてしまいます。有害な活性酸素を解毒するために大量の体内酵素が消費されることになり、疲労の原因になります。
疲れにくい体のためにも、これらの習慣とは縁を切りましょう。
入浴やマッサージなどで体液循環を促す
体液の循環が悪くなってしまうと、毒素の排出が滞り、疲れもため込みやすくなってしまいます。
毒素をためないためには、入浴やマッサージなどで、普段から体液の循環をよくすることが大切です。
かたくなった筋肉をマッサージでほぐし、毒素のたまりづらい体を目指しましょう。マッサージの代わりに、ストレッチを行ってもよいでしょう。
入浴は、ぬるめのお湯で時間をかけて行う半身浴がおすすめです。体を温めることで血液やリンパの流れがよくなり、疲労の回復に役立ちます。
なお、これらは疲れたときだけでなく、毎日の習慣として行いましょう。
まとめ
疲労回復におすすめの食べ物や生活習慣について解説しました。
疲れにくい体のためには、普段の食事を見直すことが大切です。
必要な栄養素をバランスよく取り入れて、疲れをためずに元気な毎日をすごしましょう。
【出典】
新谷弘実(2005)「病気にならない生き方」サンマーク出版
新谷弘実(2008)「図解 病気にならない生き方」サンマーク出版
新谷弘実(2011) 「自然免疫力をぐんぐん高める」日東書院本社
新谷弘実(2009)「免疫力を高める生き方」マガジンハウス
新谷弘実(2008)「胃腸は語る」弘文堂