酵素とは?
酵素とは、食べたものを消化、代謝、吸収また体調を整えるために必要不可欠な物質です。
体内では色々な物質が休まず分解・合成されています。
もっとわかりやすく言うと家を建てるのに大工さんがいて職人さんがいます。
三大栄養素のタンパク質・脂肪・デンプンが家を作る材料だとしたら、酵素は家を作るための職人さんのようなものとなります。
生命を維持するために酵素は体内で必要なものになります。
酵素とは触媒作用を持つタンパク質
酵素はタンパク質でできています。
そして生物によって作られ、体の中で働いている酵素は生体触媒とも呼ばれています。
酵素が存在することで、生物が適度に生きられる温度であっても化学反応が十分に起こり、それぞれの酵素は特定の化学反応を促進してくれます。
体の化学反応の事を私たちは代謝と呼んでいます。
正常な酵素を作り上げていくためには、この酵素、つまりタンパク質を作り上げなくてはなりません。
そもそも触媒とは
触媒とは、物質そのものは変わりませんが、適合する化学反応において、その反応スピードをあげる物質をいいます。
一生のうち体内で作られる酵素の量は決まっている
私たちの体内酵素の量には限りがあり、作り出せる能力は遺伝子で決まっているとも言われています。
また、体内で作られる酵素の量と活性度が健康に大きく影響しているようです。
酵素の量は年齢とともに減少していき、そのピークは20~25歳で落ち始めてくると言われています。
体内で作られた酵素も、腸内細菌が作り出しているものが約3000種あるといわれています。
良い胃相・腸相の人たちに共通していたものはエンザイムをたくさん含んだフレッシュな食べ物を多く摂っていたということでした。
酵素の働きとは?
酵素の働きは、さまざまです。消化酵素・代謝酵素・食物酵素などがあげられます。
消化酵素は、食べたものを体内で栄養にするために必要な酵素で、代謝酵素は、吸収した栄養を効率よく働かせるために必要な酵素で、新陳代謝や解毒などの役割もあります。
また、筋肉や内臓を修復し、体を理想の状態に保つために用いられます。
食物酵素は、食材に含まれる酵素で食事として外から取り入れるしかない酵素です。
新鮮な野菜やフルーツに多く含まれています。食物酵素を摂ることで、消化酵素や代謝酵素をサポートし体内から酵素が不足していくのを補うことが出来ます。
消化酵素の働きにより消化吸収が行われる
消化酵素とは、消化・吸収を促進する酵素の総称です。
消化酵素はそのままでは体内に吸収できない炭水化物・タンパク質・脂質などを分解して、吸収しやすい小さな物質にするものです。
そのために必要不可欠な消化酵素ですが、加齢やストレス、体の不調により消化酵素の分泌が低下すると消化不良の状態になります。
消化不良を起こすと体に不調をもたらすだけでなく、十分に栄養を吸収することが出来ません。ですので、体内で作られる酵素だけでなく外部からも食物酵素などで補っていく必要があります。
酵素の消費量を抑える事で腸内環境が改善される
体内酵素は、過度なタバコやアルコールの摂取やジャンクフードを頻繁に食べるなどすると多量に消費されていきます。
また風邪や熱で体が発熱するのは、体がウイルスと戦うためや免疫力を高めるために体内の代謝酵素が働きやすい温度(38~40℃)に調整されているからです。
そのため、体を健康にするためにより多くの体内酵素を消費することになります。体内酵素を消費することになります。
酵素が不足して体が弱っていくとあらゆる病気の引き金になってしまいます。
酵素が壊されてしまうと、腸内環境にも影響が出てきます。
なぜ酵素の働きにより肌がきれいになると言われているの?
体内に取り入れることで肌へもいい影響を与えてくれます。
食物酵素を摂ると、代謝が活発になり肌の新陳代謝も正常化され、老廃物の排出を促してくれます。
腸内環境は肌に現れる
腸内環境の乱れは肌に目に見えて現れてきます。例えば、便秘をすると肌が荒れることがあります。
便秘は腐ったものを腸内にため込んでしまった状態であるので、その状態が肌に刺激を与えてしまうと考えられます。
腸内環境を改善することで肌もきれいに
ストレスなどにより腸内環境が乱れると肌にも悪影響が出てきます。腸内環境の乱れは、腸内の悪玉菌が善玉菌より優位になってしまうことにより引き起こされます。
その結果肌荒れや便秘などの不調が現れてきます。
では、腸内環境をよくするためにはどうすればいいでしょうか。
答えとしては発酵食品を摂ることです。日本人は昔から発酵食品を好んで多く食べていました。
みそ汁やぬか漬け、納豆など和食は発酵食品の宝庫ともいえるかと思います。
ですが現在働く人が多いなか、生活習慣が乱れ手軽に買って食べられるコンビニ弁当やカップラーメン、外食を好んですることが多いと思います。
日本人の和食離れが発酵食品離れにもつながっているといえます。
まとめ
酵素は消化だけでなく代謝を促すのにも必要なもので、すべての生物にとって生命活動を維持してくれる大事な物質なのです。
酵素がなければ私たちは生きていけないとさえ言えるものなのです。
【出典】
新谷弘実(2005)「病気にならない生き方」サンマーク出版