新谷酵素式の身体に良い食べ物or悪い食べ物とは?
「新谷酵素」の監修を務める新谷弘実医学博士は、健康的な食生活には酵素が大きく関与すると考えました。
酵素を補うこと、酵素を減らさないこと、酵素を活性化させることが大切です。
新谷食事健康法において、身体によい食べ物・悪い食べ物とは、どのような基準で選ばれるのでしょうか。
酵素量が多い食べ物=健康にいい食べ物
酵素量が多い食べ物では、体内の消化酵素を必要以上に使いません。体内の酵素を必要以上に使わないので、身体に負担がかからないのです。
体内の消化酵素と食物酵素が働くことで、消化がスムーズになり、腸での吸収・排泄もスムーズになります。未消化物が減ることで腸内環境も改善します。このように、酵素量が多い食べ物は、健康にいい食べ物なのです。
酵素量が少ない食べ物=健康に悪い食べ物
反対に、酵素量が少ない食べ物では、体内の消化酵素を浪費してしまいます。体内の酵素をたくさん使うことになるので、身体に負担がかかります。食物酵素がないので、働くのは体内酵素のみ。食べた量によっては消化が追いつかず、未消化の食べ物が腐敗・停滞します。
それにより悪玉菌が増殖したり毒素が放出したりするので、肝臓での代謝に負担をかけます。
このように、酵素量が少ない食べ物は、健康に悪い食べ物といえます。
酵素量の多い食事を意識しましょう!
酵素量の多い食べ物が身体によいことがわかりました。
では、酵素量の多い食事を摂るためには、どのようなことに気をつけたらよいのでしょうか。
酵素は加熱で「失活」する
酵素は、熱に弱く、高温になると破壊され、活性が失われてしまいます。酵素の破壊は、48℃で始まり、70℃でほとんどが失活してしまいます。さっと炒める、蒸す、茹でる等の短時間加熱メニューも取り入れて、あくまで美味しく食べられる形で無理なく取り入れましょう。
酵素サプリメントで補うのもおすすめです。
生野菜や果物・発酵食品は多くの酵素を含む
生の野菜や果物、発酵食品は、多くの食物酵素を含みます。
そのため、体内で余計な消化酵素を使わずに、食物自体の酵素で分解が進んでいきます。
身体に悪影響?気を付けたい食べ物とは?
新谷食事健康法では、穀物と野菜中心の食事をし、肉・魚・乳製品・卵などの動物性の食物はなるべく少なく、全体の15%以下とするのがよいとされています。
それは、なぜなのでしょうか。
気をつけたい食べ物と理想的な食生活について解説して参ります。
酸化が進んだ食べ物
酸化とは酸素と化合し、食品を劣化させてしまう反応のことを指します。
こうした酸化した食物が体内に入ると、フリーラジカル、とくに活性酸素を作り出す原因となります。活性酸素は細胞を壊し、様々な健康被害をもたらします。
トランス脂肪酸を多く含むマーガリン
マーガリンには、トランス脂肪酸が多く含まれています。
トランス脂肪酸とは、自然界には存在しないもので、悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らすほか、がん、高血圧、心臓疾患の原因になるなど、さまざまな健康被害をもたらします。
消化に良くない乳製品
乳製品に含まれる糖分である「乳糖」。
日本人は乳糖を分解する「ラクターゼ」を十分に持っている人が非常に少ないです。
そのため、乳糖をきちんと消化しきれず、結果として消化不良を起こします。乳製品を食べると軽い下痢を起こすのはこのためなのです。
肉食中心の食生活
肉食に含まれる動物性タンパク質は、大量に摂りすぎると、胃腸で分解が完全にしきれずに腸内で腐敗し、毒素を作り出します。
毒素を解毒するために、腸内や肝臓で大量の酵素が消費されるのです。
日本人には油の多い食事は合わない
もともと日本には油を使った調理法というのはありませんでした。
日本人が「揚げ物」を食べるようになったのは、ここ150〜200年ほどのことなのです。
油を分解するのは膵臓の役割です。
日本人の膵臓の機能は、古くから油物を食べてきた国の人と比べて弱く、膵炎になりやすい傾向にあります。
このように、揚げ物などの油の多い食事は、日本人には合わないといえます。
新谷酵素的におすすめな食事方法
新谷酵素的おすすめな食事方法は、酵素に着目して、食べ物や食べ方を選ぶ方法です。
②酵素の働きを助ける食べ物
③酵素の補給に役立つ食べ物
この3つのポイントを押さえることが大切です。
よく噛んで小食を心がける
食べ物は、噛めば噛むほど唾液も分泌され、酵素と食べ物をよく混ぜ合わすことにつながります。
30〜50回は噛むことで、消化吸収がスムーズに行われるようになります。
また、よく噛むことで、食欲が抑えられ、食べる量が減ります。
小食の方が、食べたものがきれいに消化吸収されるため、腸内で毒素を発生させることがなく、酵素の消費が少なくすみます。
植物食・動物食のバランスは90%対10%を意識
理想の食事の割合は、野菜や果物、穀物などの植物性の食物が85〜90%、肉や魚、乳製品、卵などの動物生の食物が10〜15%です。
動物性の食物だけではなく、植物性の食物にも必須アミノ酸は豊富に含まれています。
穀物は精製していないものを選択
人間の食事は、全体の50%を穀物で摂ることが理想です。
穀物は、植物の種の部分にあたるもので、とても多くの酵素を含んでいます。
精製した穀物は、見かけも美しく、柔らかいので食べやすいですが、未精白の穀物の方が生命力の高いよい食べ物といえます。精製していないものとは、米なら「玄米」、小麦粉なら「全粒粉」などです。
マーガリンや揚げ物は避ける
マーガリンや揚げ油にはトランス脂肪酸が多く含まれていますので、避けましょう。
乳製品はできるだけ摂らない
乳製品は、消化に悪く胃腸の状態を悪化させやすいので、避けた方がよいでしょう。乳酸菌はぬか漬けやキムチ、ピクルスなど植物性の発酵食品で摂ることをお勧めします。
またカルシウムは、乳製品に頼らなくても、海藻類や小魚で十分な量を摂ることができます。
必須脂肪酸・動物性タンパク質の上手な摂取方法
必須脂肪酸は体内で生成できないので、食事で良質な脂肪を摂ることが必要なのです。
胃腸の負担を考えると、タンパク質はできるだけ大豆や海藻類などの植物性タンパク質から摂り、不足した分を魚や肉の動物性タンパク質で摂るようにすることが望ましい食事といえます。
魚から摂るのがおすすめ!
人間より体温の高い動物の肉の脂は、血液をドロドロにしてしまいます。
ですから、同じ動物性タンパク質ならば、魚を食べる方が望ましいといえます。
魚は、新鮮なものを選びましょう。生で食べられるものは、なるべく生で食べるのが基本です。
魚の干物は、酸化した食品ですので、よい食べ物とはいえません。
青魚に含まれるDHA・EPAには良質な脂肪酸が多く含まれる
魚の中でも、イワシやサバなどの青魚には、鉄分も多く、DHAやEPAも多く含まれています。
DHAやEPAには、良質な脂肪酸が多く含まれています。
人は、必須脂肪酸を体内で生成できないため、食品から摂る必要があります。
青魚には豊富に必須脂肪酸が含まれますが、酸化しやすいため鮮度の高い状態で食べることをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今まで身体に良いと思い行ってきた食生活の中にも実は注意すべきポイントがあると分かりましたね。
胃腸内視鏡分野の世界的権威である新谷弘実医学博士の提唱する食事内容を意識し、健康的で活力あふれる毎日を送りましょう。
【出典】
新谷弘実(2005)「病気にならない生き方」サンマーク出版
新谷弘実(2008)「図解 病気にならない生き方」サンマーク出版
新谷酵素(2020)「酵素LIFEのすすめ」