「置き換えダイエットって効果あるの?」
「どんな食品を選べばいいの?」
初心者でも比較的簡単に始められる置き換えダイエットですが、しっかりと効果を得るためには正しいやり方と注意点を押さえておく必要があります。
本記事では、置き換えダイエットの始め方や成功するコツについて紹介します。
置き換えダイエットとは?
置き換えダイエットとは、1日の食事のうち一部を低カロリーかつ栄養価の高い食べ物や飲み物に置き換える方法です。カロリー摂取量をコントロールしたうえで必要な栄養素を摂取し、健康的に痩せることを目的としています。
しかし、カロリーを減らすだけでは必要な栄養素を補給できません。そのため、置き換えダイエットを成功させるためには食品選びが重要です。タンパク質やビタミン、ミネラルなど、いわゆる五大栄養素がバランスよく含まれている食品を選ぶと、成功確率を高められるでしょう。
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置き換えダイエットがおすすめな理由
置き換えダイエットがおすすめな理由は次の通りです。
- 必要な栄養素を補給しながらダイエットできる
- 比較的簡単に始められる
- 無理な食事制限が必要ない
それぞれ詳しく解説します。
必要な栄養素を補給しながらダイエットできる
置き換えダイエットは正しく食品を選ぶことで、できるだけ健康的に続けられる方法です。栄養価の高い食べ物や飲み物を摂取すれば、体に必要な栄養素をしっかりと補給できるでしょう。
痩せたいからといって食べる量を減らしただけでは、健康的な毎日を送るのは難しくなります。特に女性の場合、次のようなリスクもあります。
食事制限をしてまったく食べないのではなく、適切な食品に置き換えるという選択肢もあることを覚えておくとよいでしょう。
比較的簡単に始められる
置き換えダイエットは特別な準備が不要で、他のダイエット方法よりも比較的簡単に始められます。日常生活で食べたり飲んだりしているものを、別のものに置き換えるだけで始められるためです。
特別な準備を必要としないので、一度始めたら続けやすいというのも注目すべきポイントでしょう。ダイエット初心者はもちろんのこと、他のダイエット方法で失敗してしまった人にもおすすめです。
無理な食事制限が必要ない
置き換えダイエットは1日のうち1〜2回の食事を置き換えるだけで済むため、無理な食事制限をしなくていいのが特徴です。一般的な食事制限ダイエットは空腹に耐えられず、食べ物に手を伸ばしてしまいがちですが、置き換えダイエットならそのリスクを抑えられます。
無理なく続けられるため、リバウンドしにくいというのもメリットの1つでしょう。過去にダイエットで失敗した経験がある人も、置き換えダイエットに挑戦してみてはいかがでしょうか。
置き換えダイエットを始める流れ
置き換えダイエットの始め方は、以下の3ステップです。
- 1食のカロリーを計算する
- 自分のライフスタイルに合った食品を見つける
- 夕食を置き換える
各ステップにおけるポイントを紹介します。
STEP1.1食のカロリーを計算する
置き換えダイエットを始める前に、自分が普段どれくらいのカロリーを摂取しているのか計算してみましょう。「1日に必要な推定カロリー」は次の計算式で表すことができます。
1日に必要な推定カロリー = 基礎代謝量 × 身体活動レベル
基礎代謝量とは、安静時の代謝量です。求めるには、基準代謝基準値と参照体重を掛け合わせる必要があります。身体活動レベルとは、1日あたりの総エネルギー消費量を基礎代謝量で割った指標です。
分からない場合は日本医師会のサイトで導き出すことができます。
STEP2.自分のライフスタイルに合った食品を見つける
摂取すべきカロリーが明確になったら、それを満たす範囲内で自分のライフスタイルに合った食品を探します。
食品探しのポイントは、低カロリーかつ栄養素が豊富なことです。タンパク質やビタミン、ミネラルといった栄養素はダイエット中に不足しやすいため、これらを十分に摂取できる食品を選びましょう。
続けやすい値段かどうか、腹持ちがよいかどうか、なども食品選びのポイントです。
STEP3.夕食を置き換える
1日の食事のうち、どのタイミングで置き換えるかは人によってさまざまですが、おすすめは夕食です。夕食は他の食事より摂取カロリーが大きくなりやすく、食べすぎてしまいやすいからです。
ただ、夕食自体を置き換えるのはハードルが高いといえるでしょう。まずは夕食のなかでも「主食を置き換える」「おかずを置き換える」など、小さく始めて徐々に大きく変えていくのがおすすめです。
農林水産省が推奨している「食事バランスガイド」を参考にして、「どれを置き換えるか」を考えましょう。
置き換えダイエット食品の選び方
置き換えダイエット食品を選ぶときは、次の5つが大切です。
- 無理なく続けられるかどうか
- 栄養バランスが良いか
- 腹持ちをキープできるか
- 負担にならない価格か
- 美味しいと思えるか
選び方のコツや注意点について、一つひとつ解説します。
無理なく続けられるかどうか
置き換えダイエットを成功させるためには、無理なく続けられるかどうかが大切です。低カロリーかつ栄養価が高い食品であっても、自分の口に合わなければ途中で挫折しかねません。
慣れないうちはいろんなダイエット食品を食べてみて、自分との相性を確認する期間を設けることがおすすめです。「毎日食べても苦にならないかどうか」を基準にして食品を選びましょう。
栄養バランスが良いか
栄養バランスの良し悪しも、食品選びのポイントの1つです。普段の食事よりも摂取カロリーを抑えると、どうしても栄養バランスに偏りが生じてしまいます。
栄養バランスを考えるうえで重要視したいのが「五大栄養素」です。五大栄養素とは、次の栄養素を意味します。
- 炭水化物
- 脂質
- たんぱく質
- 無機質(ミネラル)
- ビタミン
特に、ダイエットではタンパク質やビタミン、ミネラルといった栄養素が不足しやすくなります。置き換える食品の栄養素と日頃の食生活に注目し、「十分な栄養バランスが取れているか」を考えましょう。
腹持ちをキープできるか
置き換えダイエット食品を選ぶ際は、腹持ちをキープできるかどうかにも注目するとよいでしょう。腹持ちの良い食品を選ぶことで、空腹感を気にすることなくダイエットを続けられます。
腹持ちの良い食品としておすすめなのが次の食べ物です。
- 鶏肉
- 魚
- じゃがいも
- かぼちゃ
- にんじん
これらは低糖質かつ低脂質であるため、ダイエットにおすすめです。
負担にならない価格か
置き換えダイエットを継続するためには、コスト面を考慮することが重要です。毎日の食事を置き換えるためにも、負担にならない価格の食品や飲料を選びましょう。
高価な商品に置き換えたとしても、かならずしも効果が実感できるとは限りません。また、経済的な負担が大きくなり、継続が難しくなる場合もあるでしょう。予算に合った置き換え食品や飲料を選び、財布にやさしい方法を見つけることが大切です。
美味しいと思えるか
置き換えダイエット食品を選ぶときは、美味しいと思えるかどうかも重要なポイントです。
自分が美味しいと思えるものを選ぶことで、飽きることなくダイエットを継続できます。
たとえ低カロリーかつ高栄養な食品であっても、自分の口に合わなければストレスが溜まってしまいます。毎日食べるものだからこそ、自分が美味しいと思える食品を選びましょう。
置き換えダイエット食品の種類
置き換えダイエット食品には、次のような種類があります。
- プロテイン食品
- 酵素ドリンク
- スムージー
- スープ
- 低カロリー食
それぞれの特徴や、おすすめポイントについて解説します。
プロテイン食品
タンパク質が豊富なプロテイン食品は、置き換えダイエットにもおすすめです。カロリーを抑えた食事ではタンパク質が不足しがちですが、プロテイン食品に置き換えることで防ぐことができるでしょう。
ダイエットをするうえで注意すべきなのが、筋肉量の低下です。筋肉量が低下すると代謝機能が落ち、脂肪燃焼の効率が悪くなってしまう可能性があります。
筋肉の原料となるタンパク質をしっかり補給しなければ、筋力が低下しかねません。筋肉量を維持したままカロリー摂取量を抑えたいという人は、プロテイン食品を活用しましょう。
酵素ドリンク
酵素ドリンクは摂取カロリーを抑えられるだけでなく、体の調子を整えるという効果も期待できる置き換えダイエット食品です。酵素を活性化させることによって代謝や消化機能が高まり、老廃物を体外に排出したり便秘が解消できたりして、ダイエットにつながる可能性があります。
ここで大切なのが、「酵素ドリンクを自作する」というものです。酵素は70度を越えると失活してしまうのですが、市販の酵素ドリンクは、基本的に65度以上の温度で加熱殺菌されているものが多いです。したがって、多くの酵素が死滅してしまっている可能性があるでしょう。
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スムージー
野菜やフルーツをたっぷり摂取できるスムージーもおすすめです。ポリフェノールやビタミン類、食物繊維といった栄養素が豊富で、体の調子を整えてくれます。
スムージーは、ミキサー1つあれば自宅で簡単に作ることもできます。自由にアレンジできるので、楽しみながらダイエットを続けられるでしょう。
スープ
置き換えダイエットをするときは、スープもおすすめの食品です。いろんな種類があるうえに、体が温まって代謝が良くなるといった効果も期待できます。
ただし、スープだけで必要な栄養素をすべてカバーするのは難しいため、他の食品と組み合わせて食べるのがおすすめです。栄養バランスの偏りには注意が必要ですが、低カロリーで満腹感を得られるので、選択肢の1つとして覚えておきましょう。
低カロリー食
低カロリー食とは、100グラムあたりのエネルギーが20キロカロリー未満の食品です。一般的な食品と比べると重量あたりのカロリーが低く、減量したい人の心強い味方になるでしょう。
野菜やフルーツ、ヨーグルト、脂身を取り除いた肉類など、ひとくちに低カロリー食といっても種類はさまざまです。低カロリー食のなかには腹持ちがよいものも多いので、置き換えダイエットにはぴったりの食品といえるでしょう。
置き換えダイエットを成功させるコツ
置き換えダイエットを成功させるコツは次の通りです。
- 腸内細菌のバランスをキープする
- 過度な置き換えや食事制限は避ける
- 運動やストレッチを取り入れる
- 規則正しい健康的な生活を意識する
一つひとつ解説していきます。
腸内細菌のバランスをキープする
置き換えダイエットには、腸内細菌のバランスをキープできるといったメリットがあります。酵素ドリンクやスムージーなどの置き換えダイエット食品には、腸内環境を整える効果があるためです。
腸内環境が整うと、食べ物の消化や吸収、代謝を行う腸内細菌の働きが活発になります。エネルギー効率が高まることで、ダイエット効果のさらなる向上が期待できるでしょう。
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過度な置き換えや食事制限は避ける
ダイエットを成功させるためには、過度な置き換えや食事制限は避けるべきです。無理をしすぎると、続けるのが難しくなります。厚生労働省でも、次のように警鐘を鳴らしています。
ストレスの蓄積により間食が増えて、リバウンドを招く原因にもなるため注意しなければなりません。
運動やストレッチを取り入れる
置き換えダイエットを始めるのと同時に、軽い運動を取り入れると効果的です。散歩やストレッチなどの軽い有酸素運動は、基礎代謝がアップしてダイエット効果を高める働きがあります。
毎日20〜30分を目安にして、軽めの運動習慣を身につけましょう。
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規則正しい健康的な生活を意識する
置き換えダイエットを成功させるには、規則正しい健康的な生活を意識するのも大事なポイントです。不規則な生活を送っていると体への負担が蓄積して、さまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。
趣味の時間を設けたり、睡眠の質を高めたり、なるべくストレスをため込まないような生活を心がけましょう。
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置き換えダイエットの注意点
置き換えダイエットの注意点は、以下の2つです。
- 空腹感を覚えやすい
- 場合によってはコストがかかる
注意すべきポイントをあらかじめ押さえておくことで、置き換えダイエットの成功確率がアップします。
空腹感を覚えやすい
置き換えダイエットをしていると、それまでの食事よりも摂取カロリーが減少するため、空腹感を覚えやすい状態になります。お腹が空いたからといって菓子パンやスナック菓子を食べてしまうと、せっかくの努力が無駄になるので気をつけましょう。
空腹による失敗リスクを下げるためには、食品選びがポイントです。自作の酵素ドリンクやスムージー、スープなど満腹感が感じられる食品を選ぶことをおすすめします。
場合によってはコストがかかる
置き換えダイエット食品のなかには、一部高価なものも存在します。低カロリーかつ高栄養な食品であっても、値段が高いとダイエットを継続するのが難しくなるでしょう。
ダイエットを成功させるために最も大切なのは、コツコツと続けることです。予算を決めて、無理なく続けられる食品を選びましょう。
置き換えダイエットを始めてみよう
置き換えダイエットとは、1日の食事のうち1〜2回をダイエット食品に置き換える方法です。摂取カロリーをコントロールしつつ、必要な栄養素をしっかり摂取することで、健康状態を維持したまま痩せられる可能性があるでしょう。
置き換えダイエットを成功させるためには、食品選びを慎重に行い、無理のない範囲で継続するのが大切です。体の反応をよく観察しながら、健康的なダイエットを目指しましょう。
【出典】
新谷弘実(2005)「病気にならない生き方」サンマーク出版
新谷弘実(2008)「図解 病気にならない生き方」サンマーク出版
農林水産省|「食事バランスガイド」について
農林水産省|栄養素と食事バランスガイドとの関係
厚生労働省|間食のエネルギー(カロリー)
厚生労働省|ダイエット(だいえっと)