やらなければいけないことが山積みなのに、何となくエンジンがかからない、やる気が出ない、そういうことは誰にでもあることです。
それでは、なぜやる気が出ないのでしょうか?
この記事では、腸にまつわる”やる気を出す“ための食べ物や飲み物、生活習慣、レシピなどについてご紹介します。
そもそもやる気が出ないのは何故?
何かをしなければならないのに、やる気が出ない時、何が原因なのでしょうか?
このような時にはさまざまな理由が考えられますが、その中でも腸による理由があげられます。
腸は第2の脳ともいわれ、大腸と小腸を合わせると1億個の神経細胞が集まっているといわれています。
さらに神経を通じて小腸の一部、及び大腸の細胞は脳と密接につながっています。
ストレスを感じたり、緊張すると急にお腹が痛くなるのは、このためです。
また、腸内環境が悪くなり腸の働きが十分でないと、以下のような症状につながってしまいます。
- 腸内で炎症が起こる
- イライラする
- やる気が出ない
- 気分がのらない
このように、腸と脳の互いの影響は私達が考える以上に強く、腸内環境が悪いと脳がストレスを感じ、「なんだかやる気が出ない」という現象が起こります。
やる気が出て元気が出る食べ物や飲み物
やる気を出さないといけない時、パワーが出る食べ物や飲み物を摂取すれば”やる気”が湧いてきます。
ここでは、やる気が出る食べ物や飲み物を紹介します。
ぜひ参考にして食卓に取り入れてみてください。
やる気が出る食べ物はこんなもの
前述の通り、腸は神経細胞が集中した器官です。
そのため、腸内を常にきれいな状態に保つことが大切です。
腸の中には約1,000種類、100兆個の莫大な数の腸内細菌がいるといわれていて、健康に必須な酵素やビタミンを生産しています。
さらに、体内の毒素を含んだ老廃物を排泄するには新鮮な水が必要です。
また、私たちの体にある37兆個の細胞内も細胞外も水で満たされています。
そのうえ、全身を巡る血液は体内でろ過されて組織液になって栄養物を運びます。
しかし、これらの水分の流れがスムーズでなくなると胃腸内の流れも滞り、老廃物が溜まってしまいます。
このような悪影響を解消し、腸の働きをスムーズにする、やる気が出る食べ物、飲み物には、いくつかおすすめのものがあります。
海藻類などの食物繊維を摂る
体内の流れをスムーズにするのが食物繊維です。
食物繊維はひとの胃では分解されず、腸まで届き腸内細菌にいい働きをする乳酸菌やビフィズス菌のエサとなり、善玉菌を増やします。
食物繊維には、水溶性食物繊維と不水溶性食物繊維があり、不水溶性食物繊維は体内の水分により膨張して、体内の不要な物質を速やかに排泄してくれます。
そのため、腸内環境を整え、神経細胞の働きも活発化します。
一方、水溶性食物繊維は体内に入ると、緩やかに胃腸内を移動して消化を助ける他、繊維質の多い食品が多いためよく噛むことになりますので、満腹感を得られやすく食べ過ぎ防止に役立ちます。
水溶性食物繊維も腸内でビフィズス菌のエサになり、腸内環境を良くする働きがあります。
これらの食物繊維を含んだ食べ物が海藻類や野菜、果物、キノコ類、穀物、豆類です。
酸化していない食べ物を摂る
体内で活性酸素が発生した時、体が錆びるといいますが、これらは酸化した食べ物を食べることによっても起こります。
私達の体内にはスーパー・オキシド・ディスムターゼ(SOD)と呼ばれる酵素が存在し、活性酸素が大量に増えてしまった時、これらを中和する役目をしてくれます。
しかし、このSODは40歳を過ぎた頃から減少してしまい、活性酸素が発生した時に酵素が使われてしまうため、消化、代謝に必要な酵素を作るために必要な分も浪費してしまいます。
腸内環境が悪くなり、腸内に集まった神経細胞がダメージを受けるため、やる気が起こらなくなってしまうのです。
酸化した油で揚げた食べ物ばかりを摂取せず、新鮮な野菜、果物、海藻や魚など、酸化していない食材がやる気が出る食べ物と言えます。
ファイトケミカルが多い食べ物
野菜や果物に含まれる成分の中には、ファイトケミカルと呼ばれている成分があります。
ファイトケミカルには記憶力や集中力を強化する働きの他にも、活性酸素を取り除く働きや、傷ついた細胞や遺伝子を修復するなどの働きがあります。
ファイトケミカルを多く含む野菜や果物は、日光をよく浴び、無害にする成分を増やしたり、害虫から身を守る成分を生成しています。
そのため、日光を浴びて育った野菜や果物は、やる気が出る食べ物と言えます。
ハウス野菜より、自然に育った農産物を選んで食べるようにしましょう。
食物繊維を含んだ良質な穀物を摂る
私達は毎日、パン、パスタ、そば、ごはんなどの穀物を主食にしています。
精白された米や小麦粉などはやわらかく、調理も簡単ですが、未精白の玄米や全粒そば、全粒粉のパンやパスタは食物繊維が多く、腸内の善玉菌を増やして神経細胞の働きを良くしてくれます。
さらに、精白する時に取られてしまう胚芽には多くの酵素を含んでいるため、未精白の米やそば、小麦粉は栄養価が高く、やる気が出る食べ物として機能してくれます。
やる気が出る飲み物はどんなもの?
やる気が出る飲み物で連想するのはドリンク剤やコーヒーなどカフェインを含んだ飲み物だと思いがちですが、カフェインには神経を興奮させる働きがあり、過剰摂取した時にはイライラや焦燥感、不安などの症状が現れることがあります。
さらに、カフェインは強い利尿作用があり、摂取してもすぐに排泄されてしまうので、血液や細胞から水分を奪ってしまいます。
意外かもしれませんが、やる気が出る飲み物は水です。
水には血液や細胞に水分を与えて血流をサラサラにし、細胞を水分で満たす働きがあります。
やる気が出る飲み物 還元力が強い水
どうして還元力のある水が、やる気が出る飲み物として1番いい方法なのでしょうか?
水道水は塩素で殺菌しますが、その際に活性酸素を大量に発生させて水中の微生物を死滅させて消毒しています。
すなわち、塩素殺菌した水道水は酸化しています。
しかし、この水を電気分解処理すると、還元力のある還元水になります。
このように還元力がある水を作り出す浄水器が販売されています。
カルシウムとマグネシウムは、もともと水道水に含まれているものであって、ミネラル補給は水道水でもできます。
還元力がある水は、腸内に溜まった不要物を取り除き、神経細胞の働きを促進させて、やる気を出す働きがあります。
あわせてやっておきたい!おすすめ生活習慣について
やる気が出る方法には、食べ物と飲み物の他、生活習慣も左右します。
毎日、ちょっとした心がけや食生活など、すぐに始められることばかりです。
やる気が出る食べ物や飲み物だけでなく、やる気を出すためにも習慣化して取り入れてみてください。
心地いい程度の「適度」な運動
運動は、気分をリフレッシュするだけでなく、やる気を出すために必要なエクササイズです。
軽く汗ばみ、体が温かく感じる程度のことを示します。
ウオーキングやストレッチなど、脈拍が1分間に90〜100程度で呼吸が乱れない程度を示します。毎日行うのが理想的です。
疲労を感じるほど運動をしてしまうと、体内に大量の活性酸素が発生してしまい、その除去のために大量の酵素が消費されてしまいます。
血液やリンパの流れが良くなり、新陳代謝が高まるため老廃物が排出され、酵素とその働きに欠かせない補酵素により腸内の神経細胞の働きが高まり、やる気が出るスイッチが入ります。
食事バランスを整える
やる気が出る食べ物には、酵素が含まれています。
酵素はたんぱく質で熱に弱いため、生で食べられるものがベスト。
次のような食材を摂取しましょう。
脂の多い食品はどろどろな血の原因になるため控え、加工食品も避けることをオススメします。
一方、カフェインを含むコーヒーやお茶、紅茶などは極力避け、飲む場合は1日2〜3杯までにしましょう。
アルコールは水を500ml程度飲んでから、スポーツドリンクは糖分が含まれているため、還元水を1〜2杯飲みながら良質の塩をちょっとなめるのがおすすめです。
新鮮なフルーツを摂る
食物繊維やビタミン、ファイトケミカルやミネラルを豊富に含んだ果物は酵素をたっぷり含んでいます。そのため、食前の30分くらいに果物を食べるのがおすすめです。
果物は、30分程度で腸に届きます。
水を1日1〜1.5L以上飲む
やる気を出すために体内の老廃物を排泄することは欠かせません。
水を飲むことは、代謝を高め不要な老廃物を体内に溜めないようにすることです。
さらに体内の酵素を十分に働かせるためにも、常に新鮮な水を飲み体内を循環させる必要があります。
こうすることで細胞内は新鮮な体液で満たされます。
良い水を毎日1〜1.5リットルほど飲む習慣をつけるようにしましょう。
やる気が出るオススメなレシピをご紹介!
やる気が出る食べ物を使った料理をご紹介します。毎日の食事の参考にしてみてください。
なすの南蛮煮
紫色が鮮やかなナスにはアントシアニンと呼ばれるポリフェノールが含まれています。ナスは食物繊維が豊富なので、腸内環境を良くしてくれます。
作り方
1.なすは一口大の乱切りにし、塩コショウしてから片栗粉をまぶしておく。
2.フライパンにごま油を熱して鶏もも挽き肉に火を通したら、1のなすも加えてよく炒める。
3.2に酒、きび糖、米酢、しょうゆを合わせたものをまわし入れ、1〜2分加熱したら完成。
里芋の豆乳グラタン
里芋には炭水化物とたんぱく質の複合体、ガラクタンという成分が含まれます。
ガラクタンは食物繊維による成分で、胃腸の働きを活発化したり、スタミナアップも期待できます。
作り方
1.里芋は皮をむいて7mmの輪切りにしてゆでておく。舞茸は手で割いて、玉ネギは繊維にそって薄切りにし、菜種油を熱したフライパンで炒める。
2.鍋に豆乳とコンソメを入れて弱火にかけ、あたたまったら水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。
(このとき、木べらで底からしっかり混ぜるようにしてダマにならないように気をつけましょう)
3.耐熱皿に1の里芋、舞茸、玉ネギを入れて2のホワイトソースをたっぷりかけ、200度のオーブンで15分程焼く。
柿の白和え
秋の味覚である柿。栄養価が高く、食物繊維やポリフェノールの一種で抗酸化作用があるタンニンを含んでいます。
他にも、コラーゲンの生成に欠かせないビタミンCや抵抗力を高めるβ-カロテン、不要な塩分を排出するカリウムなどが含まれます。
作り方
1.柿の皮を剥き、いちょう切りにする。舞茸は一口大に割り、にんじんは千切りにする。豆腐は水をきっておく。
2.鍋にだしを入れ、舞茸とにんじんをゆでる。
3.すり鉢かボウルに豆腐を入れてすりつぶし、白練りごま、きび糖、しょうゆ、塩を加えてよく混ぜる。
4.3に柿、舞茸、にんじんを加えて和える。
まとめ
やる気が出ないのは腸と脳が相互に密接な関係にあり、腸内環境が悪いと脳がストレスを感じるためです。
やる気が出る食べ物や飲み物で、腸内をきれいに保つと脳のストレスが軽減され、やる気が出ることにつながります。
さらに、適度な運動などを維持する生活習慣を実践すると、より効果的です。
今日からやる気が出る食べ物や飲み物、生活習慣をスタートして、いきいきライフを過ごしてください。
【出典】
新谷弘実(2005)「病気にならない生き方」サンマーク出版
新谷弘実(2008)「胃腸は語る」弘文堂
新谷弘実(2008)「図解 病気にならない生き方」サンマーク出版
新谷弘実(2011)「誰でもスグできる! 自然免疫力をぐんぐん高める 200%の基本ワザ!!!」日東書院
新谷弘実(2015)「認知症がイヤなら『腸』を鍛えなさい 」SBクリエイティブ