酵素には体内酵素と体外酵素の2種類があります。
体内酵素は体の中で消化や代謝の反応に関わる酵素です。
体外酵素は食品の中に含まれる酵素で食物酵素とも呼ばれます。代謝酵素とは、体内酵素に分類される代謝を助ける酵素です。
この記事では、代謝酵素の体の中での働きについてご紹介していきます。
酵素とは?
酵素とは、人間、動物、植物、全てに存在する物質です。
初めて酵素という物質が見つかったのは1833年で、フランスの科学者によって発見されました。
その後も数多くの酵素が発見され、今ではその数は5,000種類以上あると言われています。
体内酵素の働き
体内酵素の働きを理解するために、お米を食べた時を例に挙げてみましょう。
口から入ったお米は口の中で咀嚼され、小さくなります。
その後、消化を助けるための酵素によって小さく細かい低分子の状態に分解され、吸収しやすい状態に変化します。
このように、胃から小腸にいたるまで数多くの酵素のサポートを借りて、最終的にブドウ糖に変化するのです。
酵素の性質について
酵素にはたくさんの種類があり、いくつかの性質を持っています。
働きかける相手が決まっている
脂質の分解が得意な酵素、でんぷんの分解が得意な酵素など、酵素によって得意な栄養素が決まっています。
そのため、1種類の酵素を多く摂ればいいという訳ではなく、さまざまな種類の酵素をバランスよく摂取する必要があります。
最適な温度がある
高温になると酵素は死滅してしまいます。
また、37度前後で活性化するものもあれば、もっと低い温度で活性化する酵素もあります。
人によって酵素の量が違う
その人の食生活や生活習慣によって酵素の数は異なります。
また、年齢が上がるにつれ、酵素の数も減っていくと考えられています。
代謝酵素とはどんな酵素
代謝酵素が活性化していると、活力があり体調も安定します。
肌が綺麗であったり、髪の毛に艶があったりと、見た目が若々しく見えます。
また、代謝が良いため老廃物をしっかりと排出、ターンオーバーがうまくいっているため、太りにくいなどの特徴があります。
代謝酵素の働き
代謝という言葉はダイエットやアンチエイジングでもよく使われます。老廃物の排出を促したり、お肌のターンオーバーを整えるのです。
代謝酵素は、その名の通り代謝を司る酵素です。
消化、吸収された栄養素をもとに古い細胞を新しい細胞に変え、生まれ変わらせることができるのです。
代謝は酵素の働きによって成り立っている
基礎代謝や新陳代謝という言葉があります。
代謝がいいと、汗をかいたり、痩せやすかったり快腸だったりと、健康なイメージがありますよね。
基礎代謝はその人が必要とする必要最低限のエネルギーのことで、新陳代謝とは筋肉や皮膚を作り出し、古いものを新しいものに変えることをいいます。
代謝が活発であるということは、体内酵素もしっかり働き、十分あるということになるのです。
生命活動に代謝酵素は欠かせません
酵素の働きなくして生きていくことはできません。
生命活動をしていく上で必要な栄養を吸収し、その栄養をエネルギーに変えたり、解毒や排泄などあらゆる生命活動に、酵素の力は必要不可欠なのです。
代謝酵素の働きを活性化させる方法!
酵素を無駄にせず効率的に働いてもらうためには、酵素を節約するだけでなく、酵素の働きを活性化させることも大切です。
それでは、どのような習慣を心がけると酵素が活性化するのでしょうか。
体温を高めましょう
酵素が活性化する温度は37度から40度までの間です。
風邪を引いた時に熱が出るのは酵素を活性化させ、免疫力をあげるためなのです。
最近、低体温の人が増えているという話を聞きますがこれはとても危険なことです。体温が下がればそれだけ免疫力も下がってしまいます。
実際、体温が0.5度下がっただけで免疫力は35%も低下してしまいます。
また、ガン細胞が最も増えやすい体温は35度台なのです。
- 休息をこまめにとる
疲れたら5分、10分でも横になり休むようにしましょう。
酵素の消費を抑え、疲労の回復度合いが高まります。 - 湯船につかる
体を温めるためにも、ぬるめのお湯に長時間入るようにしましょう。
シャワーだけだと逆に体を冷やすことがわかっています。 - 湯たんぽを使う
気温の下がる冬場は体を冷やしすぎないためにも体を温める工夫をしましょう。
電気毛布はおすすめしません。 - 適度な運動が大切
体温が低い人は血行が悪い人が多いので、マッサージやウォーキングなどを行い、血の巡りを良くするようにしましょう。
激しい運動は大量の酵素を消費してしまうので、適度な運動がおすすめです。
まとめ
代謝酵素は新陳代謝や解毒・排泄などあらゆる生命活動に関わる酵素です。
ダイエットなどにも関係してきて、生命維持はもちろん、健康維持には欠かせないものです。
代謝酵素を活性化させる生活習慣を取り入れ、健康的な生活を心がけましょう。
【出典】
新谷弘実(2005)「病気にならない生き方」サンマーク出版
新谷弘実(2008)「図解 病気にならない生き方」サンマーク出版