職場や電車、学校、なかには自宅にまで…。私たちの生きている環境にはさまざまな細菌やウイルスが目に見えなくても存在しています。
そんな病原菌による感染から私たちを守ってくれているのが”免疫力”です。免疫力は一定ではなく、人によってその強さはさまざまです。
では、免疫力を高める方法とはどんなものなのか?
今回の記事では
- 免疫って何なの?免疫について解説
- 免疫力が上がる運動がある?
- その他免疫力を高める方法について解説
- 免疫力は酵素によっても上がる?酵素の大切さについて解説
- まとめ
以上について解説していきます。
この記事を読めば、免疫力アップの方法についてや、免疫力の強い健康な身体を作り上げる方法がわかるでしょう。
ぜひ最後までご覧ください。
免疫とは
免疫力がないと異物をやっつけることができなくなってしまうので、病気にかかりやすくなってしまいます。
免疫は”自然免疫”と”獲得免疫”の2つに大別されます。
自然免疫はまったく未知の物質が身体に入り込んできた際に働く防御反応です。獲得免疫は自然免疫により異物をやっつけた際、異物についての情報を記録しておきます。
今後また同じ異物が身体に入り込んできた際にもスムーズに対処することで被害を最小限に抑えることができるといった仕組みです。
免疫力を高める運動
健康な生活を送り続けるためには運動は必要不可欠です。
運動することで筋肉が動き身体の中の細胞が活発になります。
酸素や栄養分の供給もスムーズになり、運動により汗をかくことで身体の老廃物や毒素を一緒に排出することができるでしょう。
また、運動によって免疫力が高められるということがわかっています。身体を動かすことにより、免疫力に関係する細胞が増殖するといわれています。
筋肉の量も免疫力に関係しています。筋肉の量が増えることで新陳代謝が上がり、低体温になりにくい身体となっていきます。
体温が下がると細胞の動きは鈍くなることがわかっていますので、体温が上がり細胞の動きも活発になっていきます。
「適度」な運動が大切
とはいえ、運動のしすぎには注意が必要です。
なぜならば過度な運動を行うことでかえって免疫力を下げてしまうという研究データがでています。例えば、マラソン選手など運動する時間が長いスポーツ選手は上気道炎という喉のかぜになりやすいといわれています。
長時間の運動によって唾液中の免疫細胞の量が減ってしまうことが原因だそうです。
また、激しい運動により自律神経のバランスが崩れてしまい、免疫力を弱めてしまうでしょう。過剰な運動により活性酸素の量も増えてしまいます。
活性酸素の量が増えてしまうと正常な細胞に障害を与えるといわれておりますので、免疫力を下げる原因にもなるでしょう。
免疫力アップするためのおすすめの習慣
運動が苦手…という人もいるでしょう。
運動だけじゃなく、他にも免疫力を高める方法がいくつかありますので、ご紹介します。
健康な身体をつくるにはバランスのとれた食生活を心がけることはとても大切です。
ビタミンや栄養分を豊富に含んだ質の良い食べ物を毎日3食しっかりとること。加工品などの食べ物はなるべく控え、自然なままの食品を多く摂取しましょう。食べ物の中に含まれる栄養素を効率よく摂取することで腸内環境も改善され、免疫力が向上します。
また、食べ物をよく噛むことも大切です。よく噛んで食べることで唾液が分泌され、消化機能が活発になります。
消化機能が活発になると細菌やウイルスの増殖が抑制されるため、免疫力向上につながります。
質の良い睡眠をとることで身体の機能を活性化させ、免疫機能を向上させてくれます。毎日しっかりと睡眠をとれている人は寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚めてしまう、睡眠時間が短い人に比べて風邪を5倍引きにくいというデータがでています。
昼間短い時間だけでも昼寝を行うこともよいでしょう。20分程度でも昼寝を行うだけで自律神経や血流の流れなどの乱れをリセットし、身体全体の機能を調整してくれます。
ストレスをためすぎてしまうと免疫力が低下して風邪やインフルエンザになりやすいといわれています。過度なストレスにより交感神経と副交感神経のバランスが崩れます。
これらは免疫反応に関係する白血球やリンパ球をはじめ、唾液に含まれるIgAという免疫の最前線ではたらく細胞にまで影響を及ぼしてしまいます。
ストレスが軽減され、生きることの喜びを感じることで自律神経のバランスが整い、細胞の動きも活発になっていきます。
適度にストレス発散を行ったり、ストレスの原因が何かを探し出し改善することをおすすめします。
便は身体の健康状態を推し量るのにとても有効です。
というのも、腸内環境には身体に存在する免疫細胞のおよそ7割が存在しており、免疫力に大きく関与しています。
免疫細胞以外にも、腸内には腸内フローラと呼ばれるものがあります。腸内には多くの最近が生息していますが、際限なく住み着いているわけではなく、身体に良い影響を及ぼす細菌や悪玉菌、日和見菌などがバランスを保ちながら生息しており、このバランスが保たれていることで病気になりにくいともいわれています。
また、便には身体にある老廃物を排出する役目も担っています。毒素や老廃物が身体にたまっていると、それだけ細胞の動きは鈍くなってしまい免疫機能にも影響を及ぼします。
規則正しい排便をすることにより身体の中の毒素や老廃物を効率よく除去できます。
免疫力向上には酵素も大切
免疫力を高める方法はさまざまありますが、酵素をたくさん取り入れることによりさらに免疫力をアップさせることができるのはご存じでしょうか?人の体の中にはたくさんの酵素が存在しており、エネルギーを作り出したり、食べ物を消化するなどさまざまなシーンで活躍します。
例えば、第2の脳といわれている腸では、常に善玉菌と悪玉菌、日和見菌がバランスを保ちながら生息しています。
酵素をたくさん取り入れることで善玉菌が増え、腸内環境が改善されることにより免疫力があがるといわれています。人の身体は酵素がなければ生きていくことができず、酵素によって支えられているといっても過言ではないでしょう。
酵素が不足すると免疫力低下を招く
私たちの身体に住む酵素は消化酵素と代謝酵素、食物酵素の3つに大きく分けられます。
消化酵素は食べ物の消化や吸収に大きくかかわり、代謝酵素は吸収した栄養分をエネルギーに変換したり、身体の中で生まれた毒素や老廃物を代謝、排泄するなどといった役割をもっています。
食物酵素とは、食べ物などに含まれている酵素のことをいいます。自然食品などに含まれており、身体に取り入れることで食べ物の消化を手助けしてくれます。
酵素は消化や代謝などを行う過程で消費されていくため、消化に時間がかかるような食べ物の消化、毒素や老廃物が溜まりやすい生活を送り続けることで酵素はどんどん消費されていってしまいます。
酵素が減り続けて少なくなってしまうことで身体の毒素や老廃物が正しく排除できず身体に溜まっていきます。溜まりすぎた老廃物たちは細胞の動きを鈍らせてしまうことで免疫をつかさどる細胞をもうまく機能しなくなってしまい免疫力が下がってしまいます。
活きた酵素を摂ることが重要
酵素量減少に伴う免疫力の低下を防ぐためにはより多くの酵素を体外から取り入れる必要があります。身体の中では酵素が作り続けられていますが、食べ物から酵素を摂取するほうがはるかに効率的です。
酵素は生の食べ物に多く含まれています。加工や熱などが加えられていない収穫したままの姿の野菜や果物などを食べることを心がけてください。
また、食べ物というのは収穫された瞬間から腐り始めていきます。
酵素をたくさん得るためには収穫された食べ物を新鮮なうちに生のまま食べることがとても大切です。
まとめ
免疫とは何なのか、免疫力を高める方法や酵素の大切さについてお話しさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回の記事では
- 免疫はウイルスや細菌、がん細胞などを排除する。
- 免疫力は運動によって高めることができる。
- 運動以外にもストレス解消や良質な食事によって免疫力はアップする。
- 酵素を取り入れることも大切。
- 活きた酵素を得るためには自然な食品を新鮮なうちに生のまま食べるのがおすすめ。
でした。
1年を通して人の身体にはさまざまな病原菌が侵入しようとしていきます。自己の免疫力を高めることで、1年を通して風邪やインフルエンザなどの病気になりにくい健康的な身体を得ることができるでしょう。
また、免疫力だけではなく、健康な生活習慣を送ることで老化現象が起きにくくなったり、生活習慣病になりにくい体質へと生まれ変わっていきます。
この記事を機会にぜひ生活習慣を改めてみるのはいかがでしょうか。
【出典】
新谷弘実(2011)「誰でもスグできる! 自然免疫力をぐんぐん高める 200%の基本ワザ!!!」日東書院
健康長寿ネット
日本がん免疫学会
MSDマニュアル 家庭版