「最近、何となく肌コンディションがイマイチ」「化粧ノリが良くない」
近年、“腸内環境”の乱れがさまざまな美容トラブルの原因になっていることが報告されています。
腸内環境は、食べ物や飲み物で善玉菌を増やして整えることができます。
では、具体的にどのような方法が美容にいい腸内環境の整え方なのでしょうか。
この記事では、美容•美肌にいい食べ物と飲み物、さらにレシピや腸内デトックスのやり方など具体的に腸内環境を整える方法をご紹介します。
すべては腸内環境が関係している?
高級スキンケアを使っているのに、こんな状態になるのは腸内環境の乱れが影響しているかもしれません。
腸内環境と美容の関係は、とても密接に関わっていて、腸内に悪玉菌が増えると肌だけでなく、さまざまなトラブルが起こります。
例えば、便秘をしている時には肌コンディションが悪くなったり、吹き出物ができたりすることがありますが、これらは不要な排泄物が腸内に留まることで腐敗し、悪玉菌が増加することでトラブルを起こしています。
この悪玉菌は腐敗物質を体内にもたらし、腸壁から吸収されて血液中に流れます。血液中の腐敗物質は、全身をめぐり肌への刺激を与えながら悪影響を及ぼします。
つまり、腸内環境をベストコンディションに保つ食べ物や飲み物を毎日、継続的に摂取することは、肌にいい食べ物や飲み物を摂取しているのと同じなのです。
美容・美肌に良い食べ物や飲み物とは海藻などの食物繊維が多いもの
お腹の調子を整える食べ物と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、食物繊維を多く含む野菜や果物、ヨーグルト、スムージーといった食べ物や飲み物ではないでしょうか。
食物繊維は、胃や腸の中で消化酵素により分解されないため、体内の不要なものを排出してくれる働きがあります。実際、食物繊維は美容や健康に役立つ働きがあり、毎日摂取することが推奨されています。
1日に摂取する目安は、30〜50代の女性で18g以上となっています。意識的に食事で摂るようにしましょう。
1日あたりの食物繊維の目標摂取量(g)
性別/年代 | 30〜49歳 | 50〜64歳 |
---|---|---|
女性 | 18g以上 | 18g以上 |
男性 | 21g以上 | 21g以上 |
食物繊維が豊富な食べ物は海藻や野菜、果物、キノコ類
野菜や果物、海藻、キノコ類、豆類など食物繊維が含まれている食べ物の中でも、もっとも豊富に含まれている食べ物は海藻類です。
ワカメ、ひじき、昆布、海苔、もずくなどの海藻類は、サラダやスープ、煮物など毎日の食事に取り入れやすい食材です。海藻類は低カロリーで、食物繊維だけでなく魚に含まれていることで有名なEPA、マグネシウムやカルシウムなどのミネラル、リン、ヨウ素、フコキサンチンという成分が含まれています。
フコキサンチンはもずく、ひじき、ワカメに含まれます。美容のために積極的に食べたい食材です。
また、食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。
体内の有害物質にくっついて排出する水溶性食物繊維
海藻類に含まれる水溶性食物繊維のネバネバ成分は体内の不要な物質を排出し、大腸内で発酵してビフィズス菌を増やしてくれます。
水溶性食物繊維は腸内の善玉菌のエサにもなりますので、悪玉菌が増えた腸内環境を改善してくれます。
含まれる成分 | 含まれる食物 |
---|---|
ペクチン | 野菜(大根、キャベツなど)、芋類(サツマイモ、じゃがいも)、熟した果物(柿、メロン、桃など) |
アルギン酸 | 海藻類(ワカメ、昆布)など |
ガム質 | 豆類(大豆など)、麦類(大麦、ライ麦など) |
グルコマンナン | こんにゃく |
腸の蠕動運動を促して便秘を予防する不溶性食物繊維
水分を含むと膨張するため、腸内の有害物質を取り除きながら腸の蠕動運動を促進して便通をスムーズにする働きがあります。
便秘により腸内に不要な物質が長時間留まると、腐敗物質が増えて悪玉菌が増え、毒素を含んだ成分や身体をサビさせる活性酸素を大量に発生する要因になります。
これらの物質は血液中に溶け出し、肌にもダメージを与えます。そのため、不溶性食物繊維を含んだ肌にいい食べ物を摂取して腸内の不要物質を溜めないことが美肌づくりにも役立ちます。
含まれる成分 | 含まれる食物 |
---|---|
セルロース | 豆類(大豆など)、穀類(小麦ふすま)、根菜類(ごぼうなど) |
ヘミセルロース | 海藻類(ワカメ、昆布)など |
リグニン | 穀類(小麦ふすまなど)、豆類、完熟野菜類、ココアなど |
キチン | キノコ類、エビやカニの甲殻類の殻 |
食物繊維を含んだ良質な穀物
美容にいい穀物を食べるなら、精白をしていない玄米や全粒粉を使用したパンやパスタなど、食物繊維を含んだ良質な穀物を食べることが重要なポイントです。
精白した米や小麦粉は、ビタミンやミネラルを豊富に含んだ胚芽と呼ばれる部分を取り除いてしまいます。そのため、玄米や全粒粉など食物繊維を含んだ良質な穀物は美肌にいい食べ物としてもおすすめです。
肌に良い飲み物とは
搾りたての果汁100%のジュースや、新鮮な野菜や果物を使ったスムージーなどが肌にいい飲み物だとイメージしますが、本当に肌にいい飲み物は水であることをご存知でしょうか?
水にはコンビニなどで売られているミネラル水やウォーターサーバー、海洋深層水など、さまざまな種類があります。
肌にとって1番いい飲み物は、還元力の強い水と呼ばれている水がベストとされています。
ミネラルを多く含んだ還元力の強い水
還元水は電気分解したときに、マイナス電子を受け取る状態にある水のことを示します。
納豆、キムチなど酵素を多く含んだ発酵食品
肌をきれいにしてくれる食べ物として酵素を多く含んだ発酵食品は見逃せません。玄米や全粒粉と一緒に食べることで、食物繊維と酵素の両方とも手軽に摂取できます。
酵素には代謝酵素、消化酵素、食物酵素の3種類がありますが、酵素を含んだ食品として体内に入ると消化をサポートして腸内環境を整えてくれます。
腸内環境を整えるおすすめのレシピをご紹介!
ここでは肌にいい食べ物をつかったレシピを紹介します。
ぜひ参考にして美容に役立ててみてください。
オクラキムチ納豆
オクラキムチ納豆は、3つの食材を混ぜるだけの簡単レシピです。ごはんやパスタなど、さまざまなバリエーションに活用できます。
納豆とオクラのネバネバ感とキムチのピリ辛が病みつきになります。
- オクラ 8本
- 納豆 1パック
- キムチ 30g
- 青じそ 4枚
- 海苔 少々
- しょうゆ 小さじ1〜2
- 塩 適量
作り方
1.オクラは板ずりしてから塩ゆでし、水気をきって5mm幅に切る。納豆はしょうゆを加えてよく練り、キムチ、青じそ、海苔はそれぞれ細切りにしておく。
2.器に納豆、キムチ、オクラを盛り、青じそ、海苔を乗せる。
しし唐の磯辺焼き
しし唐は、食物繊維やβ-カロテン、肌の再生に必要なビタミン Cを含んだ食べ物です。
さらに血液中の脂質の酸化を防ぎ、血流を良くするビタミンEが含まれます。
β-カロテンは油と一緒に料理すると吸収が高まります。
- しし唐 16本
- 鰹節 10g
- しょうゆ 小さじ 1
- 海苔 1枚
作り方
1.しし唐はタテに切れ目を入れ、鰹節としょうゆを混ぜたものを中に詰め込む。
2.16等分した海苔で1のしし唐をぐるりと巻き、2つずつ楊枝で留めてフライパンで焼く。
アミノ酸たっぷり!疲れた時に!わかたけ煮
春の味覚として代表的なたけのこは、美肌をサポートしてくれる食物繊維とグルタミン酸、アスパラギン酸、チロシンといった、アミノ酸が含まれています。
これらの成分はうまみ成分としても知られ、疲労を軽減する働きがあります。
- たけのこの水煮 小1本
- 生ワカメ 80g
- だし 250ml
- 酒 大さじ2
- きび糖 大さじ1
- しょうゆ 大さじ2
- みりん 大さじ2
- 塩 少々
- 木の芽 適宜
作り方
1.たけのこ水煮はくし切りにし、生ワカメは洗ってざく切りにしておく。
2.鍋にだし、酒、きび糖、しょうゆ、みりんとたけのこを入れ、ふたをして弱火で20分。
3.塩で調味してワカメを加え、1〜2分あたためて火を止める。
あたたかいうちでも冷たくしても美味しく食べるのも、木の芽を飾って食べるのもおすすめです。
美肌の大敵!肌に悪い?避けるべき生活習慣
せっかく肌にいい食べ物、飲み物を摂取しても、無意識のうちにしている成分習慣が美容ダメージを与えています。
ここでは、美容のためにすぐに実践できる“これだけは避けるべき生活習慣”について解説します。
美肌をキープしたいなら、今から改善しましょう!
便秘をしない! 腸内環境をきれいに! 腸内デトックスを行う
便秘は体内に毒素を抱えているのと同じです。老廃物の75%は、お通じ(排便)によって排出されるとされています。
そのため、腸内のデトックスは便秘解消が最優先になります。
運動もほどほどが肝心! 運動のしすぎ
適度な運動は体重減少をもたらし、美容にも役立ちますが、過度な運動は体内に大量の活性酸素を発生させ、これらを除去するために酵素が消費されてしまいます。
疲労を感じたら、運動をやり過ぎの証拠です。ウオーキングなど、1分間に90〜100程度の心拍数で呼吸が乱れない程度の運動をしましょう。
毎日、じんわりと体が温まるくらい継続して運動を行うと新陳代謝が高まり、老廃物や毒素が流れ、体内に栄養分と酸素を供給します。
美容や健康の大敵! タバコ・飲酒を控える
タバコや飲酒は活性酸素を体内に大量に発生させるため、これらを取り除くために大量の酵素が使われます。
大量に酵素が使われると、体に必要なものを吸収するための酵素が不足します。結果、腸内環境にも悪影響を与えてしまうため、喫煙そのものの害だけではなく、酵素の浪費の面でもよくありません。タバコも飲酒も自分でやめられます。
せっかく肌にいい食べ物や飲み物を摂取しても、悪い生活習慣が美容を損ねてしまいますので気をつけましょう。
肌に良い食べ物、飲み物を紹介しているおすすめ書籍
肌にいい食べ物や飲み物に関する書籍も出版されていますので参考にしてみてください。
1.図解 病気にならない生き方
2.誰でもスグできる! 自然免疫力をぐんぐん高める 200%の基本ワザ!!!
3.胃腸は語る
まとめ
美容にいい食べ物は食物繊維豊富で腸内環境をキレイにしてくれます。特に海藻は低カロリーで腸内の善玉菌を増やすなど美肌の味方になってくれる食べ物ですので意識的に毎日摂取しましょう。
肌にいい飲み物は還元力のある水です。また、美容にいい食べ物を食べても食べ過ぎ、タバコや飲酒などの生活習慣が美容トラブルの原因になりますので、健康的な生活習慣を心がけて、美肌をキープしてください。
【出典】
新谷弘実(2005)「病気にならない生き方」サンマーク出版
新谷弘実(2008)「胃腸は語る」弘文堂
新谷弘実(2008)「図解 病気にならない生き方」サンマーク出版
新谷弘実(2011)「誰でもスグできる! 自然免疫力をぐんぐん高める 200%の基本ワザ!!!」日東書院