酵素とは?
巷でよく聞かれる酵素。
酵素を科学的にいうと、「生物の細胞内でつくられるタンパク質由来の触媒」です。
酵素は、私たちが生きていく上で欠かせない、ありとあらゆる生命活動に必ず必要なものです。
酵素は触媒作用を持つタンパク質
酵素とは、私たち生物の体内で働く触媒のことをいいます。
その特徴として、酵素はタンパク質で作られています。
また、酵素は特定の温度で働きます。
低体温時の方が酵素の働きは弱まるため、体温が低い人は疲れやすかったり、体調を崩しやすいといった健康上の問題が起きやすくなります。
特定の化学反応の速度を早める物質のことを触媒とよびます。
自身は反応の前後で変化しません。
酵素がないと人間は生きていけない
私たちの生命活動には、ありとあらゆるところで酵素が働いています。
呼吸をはじめ、食べ物の消化・吸収、代謝、排泄といった生命活動において酵素が重要な役割を果たしています。
つまり、私たちは酵素によって生かされているといっても過言ではありません。
酵素の性質
酵素は、48度以上の熱で壊れはじめ、70度を超える熱が加わると完全に失活してしまいます。
また、酵素は水分に触れると活性が始まり、約72時間で失活する性質を持っています。
つまり、作り立てのスムージや酵素ジュースの中の酵素は活性していますが、市販飲料の酵素は失活しています。
体内で作られる酵素の量は決まっている
酵素はタンパク質でできているので、タンパク質を摂取していれば酵素は作られる、と一昔前には考えられていました。
しかし、20世紀の後半になり、アメリカのエドワード・ハウエル医学博士が「体内で一生につくられる酵素の量は限られている」という概念を提唱しました。
そのため、現在では、食べ物から酵素を積極的に摂り、体内でつくられる酵素を補うようにすることが健康の秘訣だといわれています。
酵素の効果と働き
酵素の健康効果
酵素は、消化や吸収、代謝など、体内で起こるほぼすべての生命活動に関与していますので、体内にある酵素の量が少なくなると、体の調子が悪くなっていきます。
そのため、酵素が豊富に含まれる食品を摂ることで、体内酵素を補い、その結果健康につながるといえます。
体内酵素を増やすこと、そして酵素を減らさないようにすること、そして酵素を活性化させること、この3つのポイントを押さえて生活することで、健康的な生活が実現します。
体内での働き
酵素には消化酵素と代謝酵素、食物酵素の3種類に分けられます。
消化酵素
消化酵素は、食べたものを吸収できるように消化分解する役割を果たす酵素です。
主な酵素として、タンパク質をアミノ酸に分解するプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)、炭水化物をブドウ糖に分解するアミラーゼ(炭水化物分解酵素)、脂肪を脂肪酸に分解するリパーゼ(脂肪分解酵素)などがあり、それぞれ分泌される臓器や分解する栄養素によってさらに細分化されます。
代謝酵素
体内に吸収された栄養素を実際に働かせるのが代謝酵素です。
呼吸する、運動する、けが治す、細胞分裂させる、肌の新陳代謝を行うなど、人の生命活動のあらゆる場面でさまざまな代謝酵素が働いています。
食物酵素
食物酵素は、食材に含まれる酵素です。
消化酵素を助け、より良い消化活動を補助する働きをしています。
生野菜や果物、お刺身などの新鮮な食品、味噌や納豆などの発酵食品に豊富に含まれる食物酵素は、消化を助け、体内の消化酵素の無駄使いを防ぐ役割を果たしています。
まとめ
私たちが生きていく上で、酵素は欠かせない存在です。
しかし、現在は、常に酵素不足と隣り合わせであると言っても過言ではありません。
私たちは酵素の大切さについて今一度考える必要があります。
【出典】
新谷弘実(2005)「病気にならない生き方」サンマーク出版
新谷弘実(2008)「図解 病気にならない生き方」サンマーク出版
新谷酵素(2020)「酵素LIFEのすすめ」