酵素は体内酵素、体外酵素という2種類のグループに分かれています。
酵素が体の中にたくさんあると、新陳代謝が活発になり、胃や腸の消化を助け、栄養の吸収、消化がスムーズになります。
反対に、酵素が少ないと、体の中にある毒素の排出が進まず、内臓に負担をかけ、胃相・腸相が悪くなり様々な体調不良を引き起こす可能性があります。
酵素の量と活性度が大切
体を健康に保つためには、酵素の量と酵素の活性度が大切です。酵素が持っている力を十分に発揮できているなら、酵素は活性しているといえるでしょう。
しかし、現代人の生活習慣は酵素の活力を減らしてしまう習慣や食品が多く、全体の酵素がうまく働けていないことが多いです。
酵素の量は多いほどいい
アメリカの医学博士であるエソワード・ハウエルが提唱したのは、「1人の体の中で作ることができる酵素の量は総量が決まっている」という考えです。
これは世界的にも有名な話です。
活きた酵素の摂取や体にいい生活を続け、酵素に負担をかけない生活をしていれば酵素の量が足りなくなることはなく、問題も起こりません。
ですが、暴飲暴食、徹夜、加工食品の摂取など体に負担のかかる生活ばかりを続けていると、酵素が浪費されてしまいます。
そうなると、残った体内酵素だけで生命活動を維持しなければならず、酵素の力が足りなくなる恐れがあるのです。酵素の力が足りなくなると、体の各器官に負担をかけ、果ては未病、大病につながる可能性があります。
そのため、酵素の量を増やしておくことで、病気の予防にもなるのです。悪い生活習慣が根付いてしまっている場合には、改善が必要です。
酵素の活性度が高いほどいい
酵素の活性度が高いと酵素の作業率がアップします。酵素の活性度が上がることで、今までよりも少ない数で仕事をこなすことができます。
そのためには活きた酵素を摂ることも重要ですが、酵素が活性化する基盤を作ってあげることも大切です。
酵素が活性化する体とは?
酵素は37度前後で活性化します。
最近は子供でも低体温気味の子が増えているようです。
子供はもともと体温が高く、体の中の酵素も腸内環境もいいため、すぐに何かが起きるといった心配はありません。
ですが、この状態がずっと続いてしまうと注意が必要です。
体温が0.5度変わるだけで免疫力は35%も低下してしまいます。
冷え性だと体調を崩しやすいという理由はここにあるのです。
ですので、体温を上げる工夫が必要です。
体温を上げる改善方法としては、湯船につかる、常温もしくは白湯を飲む、糖分や脂肪分を摂り過ぎない、軽い運動を取り入れるなどいくつか方法があります。
休憩をこまめに取り、ストレスを溜めず発散させることが大切です。
どうしても忙しいと体が強張りがちになってしまいます。
体が強張ると血流も悪くなり、酵素の活動力も落ちてしまいます。
また、じっと家で座っていたりすることもよくありません。
体温を上げるための筋肉が減少してしまいます。
激しい運動を取り入れようという訳ではなく、軽いストレッチや運動、散歩でも構いません。
日光に当たることは自律神経を整えますし、外出は気分転換にもなります。
日常的に動くことを取り入れるようにしましょう。
健康にいい食生活
人間の体内にある酵素は5,000種類以上あるといわれていますが、その全てが体内で作られている訳ではありません。
酵素は体内で作られるもの、食物の中に入っている酵素を食べることで体内に取り入れられるもの、この2種類に分かれます。
酵素を含むフレッシュな食物を摂る
体内環境の良い人の生活習慣を調べてみると、積極的に酵素を摂取している人が多いことがわかっています。
酵素を外部から摂取することで、体内酵素の働きを助け、体内環境を改善し、さらに酵素が活性化しやすい体にしてくれるという好循環が起きていると考えられます。
健康にいい食生活とは、活きた酵素をより多く体内に取り込むことなのです。
それでは、酵素が豊富な食物にはどのようなものがあるのでしょうか。
生野菜
生野菜には新鮮な酵素が多く含まれています。酵素は熱を加えることで消滅することがわかっていますので、「生」のまま摂取することをおすすめします。
もちろん、生で食べられない食物もあります。そういった場合には、低温調理をするといいでしょう。
また、収穫されたままの姿(皮も含む)で食べると必要な栄養素を余すことなく体の中に取り込むことができます。
生野菜といえば定番のサラダです。きゅうりや人参などの野菜をお味噌や塩をつけて食べる方法も簡単です。
また、すりおろすと噛む手間が省かれ、消化吸収を助けてくれるのでおすすめです。
野菜や海藻など新鮮な食べ物を酵素が破壊されない温度で調理する方法です。
48度よりも低い温度で調理します。
専用の調理器具が必要になりますが、野菜やフルーツの酵素やビタミンが損なわれません。生では食べにくい皮や繊維を取り除いてくれます。繊維部分は消化する際に消化器官に負担をかけるため、この調理方法は体にとってとてもいい方法だといえます。
発酵食品(納豆、味噌等)
発酵食品に含まれる微生物は、発酵の過程で多くの酵素を生み出しています。
酵素を多く含む発酵食品は、まさに「生きた食べ物」だといえます。
また、熱を通さずそのまま食べることができる食品が多く、食事に組み合わせやすいので積極的に取り入れましょう。
フルーツ
フルーツには食物酵素がたっぷり含まれています。
また、食物繊維やビタミン、ミネラルなども豊富に含んでいます。
熱を加えない、収穫したままの姿で食べられるといったように、酵素を体に取り込む上で理想的な食材だといえます。
フルーツ自体には酵素がたくさん含まれているため消化が早く、食事の30分ほど前に摂取するといいでしょう。
健康に悪い食生活
ここからは、体にとって悪い食生活、生活習慣をご紹介します。
なるべく控えた方がいい習慣ではありますが、急にやめてしまうと逆にストレスが溜まってしまう人もいるかもしれませんので、いきなり断つ必要はありません。
専門外来などもありますので、じっくり相談してみましょう。
お酒・タバコ
お酒とタバコを嗜む人はとても多いでしょう。
お酒とタバコは肺や肝臓にダメージを与え、毛細血管を収縮させます。毛細血管が収縮すると栄養や酸素が行き届かなくなり、老廃物がたまるようになります。
体の中野毒素を解毒するために、大量の代謝酵素が使われるのです。
ストレス
ストレスは自律神経を狂わせます。
ストレスがかかることで体内酵素の浪費につながってしまうのです。
医薬品
医薬品は時に体の治療をしてくれるものですが、万能ではありません。特に日本人は胃の調子が悪いとすぐに医薬を服用しますが、胃薬を飲むと胃酸が抑えられ、胃粘膜が萎縮してしまい、胃がんへ発展してしまう可能性が考えられます。
薬は決して体にとっていいものでないのです。
まとめ
酵素と体は切っても切れない深い関係でつながっています。酵素が働いてくれなければ体はすぐに弱ってしまいます。
酵素が働きやすい環境作りを目指しましょう。
【出典】
新谷弘実(2005)「病気にならない生き方」サンマーク出版
新谷弘実(2008)「図解 病気にならない生き方」サンマーク出版
新谷酵素(2020)「酵素LIFEのすすめ」