「ダイエットの食事ってどうやって選ぶの?」
「食事の他に気をつけることはある?」
ダイエットを成功させるためには、食材の選び方から食事の摂り方まで、さまざまなことに気をつけなければなりません。
本記事ではダイエット中におすすめの食事や食事中に心がけること、注意点を紹介します。
ダイエットに食事制限は必要?
ダイエットをするうえで、食事制限は必ずしも重要なわけではありません。食事制限をしなくても食べる物を置き換えたり、運動習慣・生活習慣を見直したりすることでダイエット効果は期待できます。
誤った食事制限をすると、栄養不足で体調不良に陥ったり、一時的に痩せてもリバウンドしやすくなったりする可能性があるでしょう。健康状態を維持したままダイエットをするためには、食事制限をするのではなく、食べる物や食べ方を変えることが大切です。
ダイエット中におすすめの食事
ダイエット中におすすめの食事は次の通りです。
例 | |
---|---|
低糖質の食材・食べ物 | 鶏肉、鮭、まぐろ、かつお、ぶりなど |
低脂質の食材・食べ物 | じゃがいも、かぼちゃ、にんじん、えび、たこ、白身魚など |
タンパク質が豊富な食材・食べ物 | 肉類、卵、乳製品 |
ビタミン・ミネラルが豊富な食材・食べ物 | 発酵食品、ナッツ |
上記の食材・食べ物を中心にしてレシピを組んでいくことで、ダイエット効率も高まるでしょう。それぞれの食材・食べ物の特徴やおすすめの食べ方について紹介します。
低糖質の食材・食べ物
低糖質の食材としておすすめなのが、鶏肉や魚です。糖質を抑えられるだけでなく、ダイエット中に重要なタンパク源にもなるので、積極的にレシピに取り入れてみてください。
鶏肉
鶏肉は低脂肪かつ高タンパク質な食材です。牛肉や豚肉と比べると消化が良いとされているうえに、必須アミノ酸がバランス良く含まれているのが特徴です。
手羽先にはコラーゲンが含まれていたり、胸肉には抗酸化物質のイミダゾールジペプチド(アンセリン・カルノシン)が含まれていたりと健康面でも効果が期待できるでしょう。カロリーを抑えたいときは皮を取り除いて食べると、よりヘルシーになります。
鮭、まぐろ、かつお、ぶりなど
魚は鶏肉と同じように低糖質・高タンパク質で、ダイエットにもおすすめの食材です。DHAやEPAといった多価不飽和脂肪酸が豊富で、コレステロールや中性脂肪を減らす働きが期待できます。
また、鮭に含まれるアスタキサンチンは、高い抗酸化力がある物質として有名です。抗酸化物質には体内の炎症を抑える働きがあるため、エイジングケアにも効果が期待できるでしょう。
低脂質の食材・食べ物
ダイエット中は余分な脂質の摂取を控えることで、効率良く体重をコントロールできます。低脂質の食材として代表的なものを紹介します。
じゃがいも、かぼちゃ、にんじんなど
じゃがいも、かぼちゃ、にんじんなどの野菜類は脂質が少ないため、ダイエット向きの食材といえるでしょう。
また、かぼちゃやにんじんなどの緑黄色野菜には、抗酸化物質のβカロテンが含まれています。βカロテンは活性酸素を抑えるだけでなく、ビタミンの摂取をサポートしてくれます。
えび、たこ、白身魚など
えび、たこ、白身魚などの魚介類は高タンパク低脂質の食材です。肥満の予防・改善を目指す人は、肉類の代わりに魚介類を食べるのがおすすめです。
えびにはカルシウムや鉄分などのミネラルのほか、食物繊維の一種であるキチンや抗酸化物質のアスタキサンチンなどが含まれています。ただ、たこにはプリン体が多く含まれている(100g中137.3mg)ため、食べ過ぎには注意しましょう。
タンパク質が豊富な食材・食べ物
ダイエットで大切なのは、筋肉量を落とさずに体重だけ減らしていくことです。筋肉量を維持するためには、タンパク質が豊富な食材を食べましょう。
肉類
痩せたいからといって、肉類をまったく食べないのは良くありません。カロリーに気を付けながら、肉類も適度に摂取しましょう。
特徴 | |
---|---|
牛肉 | 鉄分が豊富で、必須アミノ酸がバランスよく含まれている。 ただし、脂質が多いため食べ過ぎに注意する。 |
豚肉 | 内臓の健康維持や代謝アップに重要なビタミンB1が豊富。 脂身を取り除いてから食べるとカロリーを抑えられる。 |
鶏肉 | 必須アミノ酸や抗酸化物質が含まれている。 疲労回復にも効果的。 |
脂質が多い点に注意すれば、肉類も優秀なダイエット食材といえるでしょう。
卵、乳製品
卵は栄養素が豊富な食材です。日本人に不足しがちなビタミン・ミネラルも含まれているため、栄養が偏りがちなダイエット中に重宝するでしょう。
乳製品は、タンパク質が豊富なうえにカルシウムやビタミンなども含むバランス食品です。脂質が多く、食べすぎるとカロリー過多になる可能性もありますが、少量であれば毎日食べても問題ありません。
ビタミン・ミネラルが豊富な食材・食べ物
ビタミン・ミネラルは体の調子を整えるのに大切な栄養素です。体内のさまざまな代謝プロセスにも関わるものが多いので、しっかりと摂取するようにしましょう。
発酵食品
納豆やチーズ、ヨーグルトなどの発酵食品には、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。発酵させることで保存性も高まるため、日持ちするのもメリットの1つです。
発酵食品には善玉菌が含まれており、腸内環境を整える効果も期待できます。腸内環境が整えば便秘の改善などが期待できるため、ダイエット効果につながるでしょう。
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ナッツ
ナッツは不飽和脂肪酸が多く含まれており、悪玉コレステロール(LDL)が増えにくいという特徴があります。一方で食物繊維が豊富に含まれており、便秘の改善や整腸効果が期待できるでしょう。
ナッツの中でも、アーモンドやピスタチオ、カシューナッツは特に食物繊維が多く含まれています。
ダイエット中の食事で心がけること
ダイエット中は、食事の摂り方と食べ物の選び方に気をつけましょう。それぞれのポイントについて解説します。
食事の摂り方
食事の摂り方で大切なのは、次の5つです。
- 栄養のバランスを考える
- 規則正しく食事を摂る
- ゆっくりとよく噛む
- 間食を控える
- 21時以降は食べないようにする
一つひとつ説明します。
栄養のバランスを考える
ダイエット中は普段の食事よりもカロリー制限をしている分、栄養バランスが偏りがちです。特に、タンパク質や食物繊維が不足しがちで、筋肉量が低下したり腸内環境が悪化したりする恐れがあるでしょう
特定の食材ばかり食べるのではなく、さまざまな食材を少しずつ食べることが大切です。基準となるカロリーの範囲内で、必要な栄養素を補えるような食事を心がけましょう。
規則正しく食事を摂る
毎日の食事は、なるべく同じ時間帯に摂ることも重要です。規則正しい食生活を心がけると、途中で挫折したり衝動的に暴飲暴食したりする可能性を下げられます。
また、研究段階研究段階ではあるものの、次のような効果が報告されています。
このように、ダイエットにつながる「コレステロール低下」が期待できるでしょう。
また、朝・昼・夜と決まった時間帯の食事を習慣化できると、中途半端な時間に間食をするリスクも低下します。
ゆっくりとよく噛む
食事中は、食べ物をよく噛むように意識するのも大切です。よく噛んで食べると消化や吸収がしやすくなるため、肥満防止・内臓への負担軽減といったメリットが期待できます。農林水産省でも、ゆっくりとよく噛むことが肥満防止に効果があると記載されています。
食事が5〜10分で終わるような「早食い」をしていると、肥満や老化につながりかねません。ダイエット効果が十分に得られない可能性もあるので、ゆっくりと噛んで食べることをおすすめします。
間食を控える
ダイエット中は間食を控えるのも大事なポイントです。摂取カロリーが増えるため、ダイエット効果が低下する可能性があります。次の画像を参考にして、カロリーをコントロールしましょう。
出典:e-ヘルスネット(厚生労働省)|間食のエネルギー(カロリー)
また、間食をすることで胃や腸が休まらないというのもデメリットの1つです。腸内環境の悪化につながるリスクのあるので、食事の時間以外は何も食べないように意識しましょう。ただ、食べすぎないことを前提とした場合、1日の栄養素の不足を補うという意味では、けっして悪いことではありません。
21時以降は食べないようにする
ダイエットの効果を最大限に高めるためには、21時以降は食べないようにすることも大切です。夜遅くに糖質を多く摂ると、起きている間に使いきれなかった分が脂肪として蓄積されます。
また、遺伝子レベルの研究においても、夜遅い時間の食事は太りやすいとわかっています。
ダイエット中の夕食は、遅くても20時くらいまでには済ませるのが理想です。炭水化物と油を控えた夕食を心がけましょう。
食べ物を選ぶコツ
ダイエット中の食べ物を選ぶコツは次の通りです。
- 酵素がたっぷり含まれているものを選ぶ
- 野菜中心にする
- 牛肉や豚肉、鶏肉はなるべく少なくする
- お酒は飲まないようにする
- トランス脂肪酸が含まれているものは避ける
それぞれの選び方について解説します。
酵素がたっぷり含まれているものを選ぶ
酵素がたっぷり含まれている食べ物は、ダイエット中の人におすすめです。酵素の働きにより食べ物の消化・吸収が促進されたり代謝アップにつながったりするため、痩せやすい体を目指せるでしょう。
酵素が含まれている主な食材は次の通りです。
- 野菜
- フルーツ
- 魚
- 未精製の食品
- 発酵食品
ただ、これらの食材ばかりを摂取するのではなく、栄養バランスの取れた食事を心がけることが大切です。
関連記事:
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野菜中心にする
野菜中心の食事にすると、ダイエット効果がより高まります。野菜はカロリーが控えめなうえにビタミンやミネラルといった必須栄養素が豊富に含まれており、体調を整える作用があります。
また、野菜は食物繊維が豊富である点も見逃せません。腸内環境が改善されると、便秘解消や美肌効果なども期待できます。
さらに、食物繊維はコレステロールから作られる胆汁酸を体外(便中)に排泄し、血中コレステロール値を下げる効果もあります。血糖値の急激な上昇を抑える作用があるうえに、腸内環境の改善にも役立つでしょう。
牛肉や豚肉、鶏肉はなるべく少なくする
ダイエット中の食事では、主に魚介類をタンパク源にするのが理想的です。牛肉や豚肉、鶏肉も重要なタンパク源にはなるものの、飽和脂肪酸であるため、食べ過ぎると血中総コレステロールが増加し、心筋梗塞などさまざまな病気のリスクが増加するとされています。
肉類の代わりに魚介類からタンパク質を摂ると、DHAやEPAといった良質な脂質も同時に摂取できます。ダイエットを心がける方は、メインのタンパク源を魚にすると良いでしょう。
お酒は飲まないようにする
お酒を控えることも、ダイエットを成功させるうえで重要なポイントです。
体内に吸収されたアルコールは肝臓で解毒されますが、その際に一時的に多くのエネルギーが消費されます。急激なエネルギー消費により、エネルギー不足になったと勘違いした脳は、糖質や脂質など変換効率の良いものを摂取するように指令を出します。
お酒を飲むとラーメンやスナック菓子のような高カロリーのものを食べたくなるのは、こういった背景があるためです。自制心を保つためにも、ダイエット中はお酒を控えましょう。
トランス脂肪酸が含まれているものは避ける
トランス脂肪酸とは、脂質を構成する脂肪酸の1つです。トランス脂肪酸は飽和脂肪酸の割合が高く、血中総コレステロールの増加につながりかねません。また、摂りすぎると心臓病のリスクが高まると考えられています。
トランス脂肪酸は、マーガリン・洋菓子・揚げ物などに含まれており、これらの摂取はなるべく控えることをおすすめします。
ダイエット中の食事に関する注意点
ダイエット中の食事では、次の3つに注意しましょう。
- 無理なダイエットをしない
- 適度に運動する
- 睡眠時間を確保する
ダイエットを成功させるためには、食事以外のことにも気を配らなければなりません。
それぞれの注意点を詳しく解説します。
無理なダイエットをしない
過度な食事制限や極端な偏食といった無理なダイエット方法はやめましょう。一時的に体重は減るかもしれませんが、疲れが取れにくくなったり、気分が落ち込みやすくなったり、さまざまな弊害が生じる可能性があります。
ダイエットをする目的は、健康的な生活を維持したまま理想の体を手に入れることです。日々の食事や自分の体の変化を楽しめるような心の余裕を持ちましょう。
適度に運動する
食事管理と並行して軽めの有酸素運動を習慣化すると、ダイエット効果がより高まります。
散歩やストレッチなどの運動を、毎日30分を目安に行うと良いでしょう。
きちんとした食事管理を続けていれば、代謝が良くなって痩せやすい体になるため、適度な運動による相乗効果も期待できます。また、体を動かすとストレス解消にもつながるので、ダイエットを続けるハードルも低くなるでしょう。
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睡眠時間を確保する
ダイエット中は十分な睡眠時間の確保も重要です。睡眠中の体内では、さまざまなホルモンが分泌されたり傷ついた部分を修復したり、翌日からまた元気に活動するための準備が整えられています。
睡眠不足の状態だと、食欲を増進する「グレリン」というホルモンの分泌量が増えるので、必要以上に食べ過ぎてしまう危険性があります。体調をキープしたままダイエットを続けるためにも、7時間前後は睡眠時間を確保しましょう。
ダイエットは食事の見直しからはじめよう
ダイエットをするときは、必ずしも食事制限をしなければならないわけではありません。今回紹介したような体に良い食材を中心にすれば、ダイエットを無理なく続けられるでしょう。
食材の選び方以外にも、食事の摂り方に気をつけたり、運動・睡眠にも注意したり、ダイエットを成功させるためにできることはたくさんあります。無理なく続けられる範囲からで構わないので、自分自身の生活を改善していきましょう。
【出典】
新谷弘実(2005)「病気にならない生き方」サンマーク出版
新谷弘実(2008)「図解 病気にならない生き方」サンマーク出版
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