「ダイエット中はどのような夕食にすればいい?」
「おすすめの栄養素は?」
ダイエット中は夕食のメニューを変えてみましょう。「どの栄養素を摂ればいいか」「何に気を付ければいいか」を把握することで、より効率的なダイエットにつながります。
本記事では、ダイエット中に心がけたいポイントを10個紹介し、夕食でおすすめの栄養素や食材、注意点を紹介します。
ダイエット中の夕食でおすすめの栄養素
ダイエット中は以下の栄養素をしっかり摂ることをおすすめします。
- 食物繊維
- たんぱく質
- ビタミン・ミネラル
食物繊維
食物繊維はダイエットのみならず、健康的な生活において大切な栄養素です。具体的には、次のような効果があります。
- 便秘の予防
- 血糖値上昇の抑制
- 血液中のコレステロール濃度の低下
食物繊維は小腸で消化・吸収されることなく大腸まで届くことから整腸効果があり、便秘の予防に役立ちます。
それだけでなく、脂質や糖、ナトリウムなどを吸着して体外に排出する働きがあることから、ダイエットや生活習慣病の予防・改善にも役立つでしょう。
たんぱく質
たんぱく質もダイエットにおいて重要です。エネルギー産生栄養素であるため、不足すると体力や免疫力の低下が見られます。ダイエットする気力がなくなってしまうどころか、リバウンドしやすくなる可能性があるでしょう。
また、たんぱく質は筋肉や臓器など体を構成する要素であるため、太りにくい体を作るうえでも大切です。しっかりと摂取し、筋肉を付けることで、基礎代謝の向上につながるでしょう。
ビタミン・ミネラル
ビタミンやミネラルも積極的に摂りましょう。ビタミンやミネラルは炭水化物や脂質、タンパク質の分解・合成を助ける働きが期待できます。
ダイエットにオススメなのがビタミン・ミネラルです。
- ビタミンB群
- ビタミンC
- ビタミンA
- ビタミンE
このうち「ビタミンB群」「ビタミンC」は水溶性ビタミンであり、余分なものを体外に排出してくれる効果が期待できます。水溶性であるため、基本的には摂りすぎを心配する必要はないでしょう。
一方、「ビタミンA」「ビタミンE」は身体の機能を正常に保つ働きがありますが、脂溶性ビタミンであるため過剰摂取はおすすめできません。
ダイエット中の夕食で心がけたいポイント
ダイエット中は、次のポイントを踏まえて夕食を取ることがおすすめです。
- 規則正しく食べる
- 朝と昼を増やして夕食の量を少なくする
- ゆっくりよく噛む
- ベジファーストを実践する
- アルコールを控える
- 寝る前の3時間は食事をしない
- 牛や豚、鶏よりも魚中心にする
- 薄味を心がける
- カロリーをチェックする
- 炭水化物はほどほどにする
規則正しく食べる
ダイエット中は規則正しい食事を心がけましょう。規則正しくバランスの良い夕食を心がけないと、逆効果になりかねません。
「お腹が空いたから」といって夕食前に間食したり、夜遅くに脂っこいものを食べたりするのは控えましょう。
できる限り、決められた時間に食事することを心がけるようにしてください。
朝と昼を増やして夕食の量を少なくする
朝と昼を増やして夕食の量を少なくしてみましょう。特に、夕食を摂る時間が遅くなった場合、時間帯によって、3分の1や2分の1にすることをおすすめします。
良くないのは「朝や昼が少なかったから夕食を多めにしよう」と考えることです。このような考えは、夕食の食べ過ぎにつながりかねません。逆に、朝と昼をしっかり食べれば、夕食の食べ過ぎを防ぐことができるでしょう。
ゆっくりよく噛む
ゆっくりよく噛むこともダイエットにつながるでしょう。いわゆる「早食い」の方は肥満になりやすいとわかっています。
出典:厚生労働省|速食いと肥満の関係 -食べ物をよく「噛むこと」「噛めること」
このように、食べる速度が早ければ早い人ほどBMIの値が高くなると示唆されています。
厚生労働省では、一口30回噛む習慣を推奨しています。簡単に習慣化できるものではありませんが、心がけてみましょう。
関連記事:
ダイエットにもメリットが!?食べ物を良く噛む効果と回数は?
ベジファーストを実践する
夕食はベジファーストを心がけましょう。
ベジファーストとは
ベジファーストを心がければ、最初に食物繊維を摂ることができます。そうすると糖質の分解・吸収が遅れ、血糖値の上昇を抑制してくれます。さらに、はじめに野菜を食べることで食後の満足感を得やすくなるというメリットもあるでしょう。
また、野菜を食べるという習慣にもつながります。できれば、1日350g以上の野菜を食べるよう心がけましょう。
出典:e-ヘルスネット(厚生労働省)|野菜、食べていますか?
アルコールを控える
ダイエット時の夕食では、できる限りアルコールを控えましょう。アルコールはメタボリックシンドロームに大きな関わりがあるとされています。
アルコールはエネルギーに変換されたり、脂肪酸やコレステロール合成に使われたりします。このような代謝の際に、他の栄養素が使われず蓄積されてしまうため、いわゆる「ビール腹」につながりかねません。
アルコールの中には「糖質ゼロ」というものもありますが、こちらもダイエット時にはおすすめできません。アルコール自体が高カロリー物質だからです。
完全に断つか、1日平均40g未満(女性は20g未満)に抑え、週に2日間程度の休肝日を入れることをこころがけましょう。
寝る前の3時間は食事をしない
寝る前の3時間は食事をしないよう意識しましょう。遅い時間に夕食を取ると太りやすくなるのは、科学的に実証されています。
どうしても何か食べたい場合は、おにぎりや果物、乳製品などカロリーや脂肪の少ないものを選びましょう。
牛や豚、鶏よりも魚中心にする
牛や豚、鶏よりも魚中心の食生活がおすすめです。魚は牛や豚、鶏と違って不飽和脂肪酸が豊富に含まれているためです。
飽和脂肪酸を過剰摂取すると、血中の総コレステロールが増加して、肥満につながるほか心筋梗塞など循環器疾患のリスクが増加するとされています。さらに、飽和脂肪酸の一部を一価不飽和脂肪酸に置き換えることで、飽和脂肪酸LDLコレステロールを減らすことも報告されています。
このように牛や豚、鶏ではなく魚中心とした夕食を心がけることで、ダイエットにつながる可能性があるでしょう。
薄味を心がける
夕食は薄味を心がけましょう。味が濃い食べ物ばかりを食べていると高血圧になり、メタボリックシンドロームにつながる可能性があります。
味が濃さと塩分濃度は比例することが多いです。1日の塩分は以下の範囲内に収めることが大切です。
- 成人男性:7.5g未満
- 成人女性:6.5g未満
カロリーをチェックする
食べ物のカロリーをチェックするのもおすすめです。摂取カロリーが「1日に必要な推定カロリー」を上回ると、太ってしまう可能性が高くなるでしょう。
1日に必要な推定カロリーは以下の計算式で求められます。
1日に必要な推定カロリー = 基礎代謝量 × 身体活動レベル
分からない場合は日本医師会のサイトで確認しましょう。
炭水化物はほどほどにする
炭水化物の食べ過ぎには注意してください。炭水化物が多すぎると中性脂肪として蓄積され、肥満や生活習慣病の原因になりかねません。
ただし、「ダイエットしたいから」といって炭水化物を抜くのもおすすめできません。炭水化物を抜くとエネルギーが不足し、疲労感や集中力の減少が見られます。結果としてリバウンドにつながったり、ダイエットが続かなくなったりしてしまうでしょう。
ダイエット中の夕食に向いている食材
ダイエット中の夕食としておすすめなのが、次の5つです。
- 豆腐
- 玄米
- もやし
- きのこ
- 魚
豆腐
豆腐は低カロリーでありながら豊富なたんぱく質を含んでいるため、満腹感を得ながら効率的にダイエットできます。
豚肉・牛肉ともめん豆腐(約300g)に含まれているたんぱく質を比較してみましょう。
100gあたりのたんぱく質 | 脂質 | |
---|---|---|
豆腐 | 7.0g | 4.9g |
ぶたロース(焼き) | 26.7g | 22.7g |
輸入牛肉ロース | 25.0g | 23.9g |
100gあたりのたんぱく質で見ると劣りますが、1丁(300g)食べると21.0gであり、動物性食品と同レベルです。一方で、脂質を半分近く減らすことができます。
また、豆腐は食物繊維やカリウム、カルシウムなどの栄養素も多く含んでいます。このように数多くの栄養素を含んでいるうえに低脂肪・低カロリーだからこそ、「ダイエットにオススメの食材」といえるでしょう。
玄米
玄米は食物繊維やミネラル、ビタミンなどの栄養素が豊富な食べ物です。厚生労働省によると、3食のうち1食でも主食を玄米ごはんに置き換えれば、効率的に食物繊維を摂取できるそうです。
また、玄米はゆっくりと消化吸収されるため、血糖値の急激な上昇を抑える効果が期待できます。
もやし
もやしは食物繊維やビタミン・ミネラルを多く含んでいます。新陳代謝を促進するビタミンB群や抗酸化作用のあるビタミンCも含まれており、代謝を高めて脂肪燃焼をサポートしてくれるでしょう。
さらに、もやしは他の食材に比べてリーズナブルです。経済的な負担になりにくいため、置き換えダイエットとしてはじめやすく、続けやすいでしょう。
きのこ
きのこも食物繊維やタンパク質、ミネラルが豊富です。さらに、脂質やコレステロールがほとんど含まれていないうえに、代謝を活性化させるビタミンB群が多く含まれています。
ただ、きのこはリンを多く含みます。リンはカルシウムの吸収を阻害するため、食べ過ぎには注意しましょう。
魚
魚は低脂肪でありながら、高タンパク質で栄養価が豊富な食べ物です。健康な脂肪酸であるオメガ-3脂肪酸が豊富に含まれており、脂肪燃焼を促進し心血管の健康をサポートしてくれるでしょう。
実際に、東京大学の研究によると、オメガ-3脂肪酸に富む魚油含有食をPLA2G2D欠損マウスに与えたところ、肥満の進行を遅らせることが示唆されたそうです。ダイエット時には、夕食の主食を魚に置き換えることをおすすめします。
ダイエット中の夕食に関する注意点
ダイエット中にはさまざまな注意点があります。特に気を付けるべきなのが以下の3つです。
- 夕食は抜かないようにする
- 適度に運動する
- 睡眠時間を確保する
夕食は抜かないようにする
どれだけ「痩せたい」という気持ちが強くても、夕食は抜かないようにしましょう。「1日だけ」「3日だけ」といった期間ならさほど問題ありませんが、夕食を抜き続けるのはおすすめできません。
いわゆる「断食(ファスティング)」は15時間で十分効果があるとされています。
関連記事:
ファスティングのやり方とは?新谷酵素がおすすめするデトックス方法を公開
適度に運動する
夕食のメニューを変えるとともに、適度な運動習慣を身につけましょう。運動することで脂肪を燃焼させられるとともに、筋肉が付いて痩せやすい体を目指せます。
ここで大切なのが、激しい運動をしすぎないことです。激しい運動は筋肉にダメージを与えてしまうため、逆効果になる恐れがあるでしょう。20〜30分のウォーキングやストレッチがおすすめです。
関連記事:
適度な運動の目安と効果とは?おすすめの健康的なやり方
睡眠時間を確保する
睡眠時間が短いと、肥満につながる恐れがあるでしょう。睡眠が不足すると、食欲を増進させる「グレリン」が増えるとともに、抑制させる「レプチン」が低下するためです。
実際の実験においても、しっかり睡眠を取ったあとで4時間睡眠にすると、血中グレリンは28%上昇、血中レプチンが18%低下し、空腹感や食欲は23~24%増加、高糖質食に対する食欲は32%も増加したという報告があります。
睡眠不足を感じた際は、昼寝などを取り入れるのもおすすめです。
関連記事:
昼寝は15分〜20分の時間が効果的?健康の理由と姿勢も解説
ダイエット中は夕食の栄養素や食べ方に注意しよう
ダイエット中は夕食の栄養素や食べ方に注意しましょう。本記事で紹介した点を意識することで、健康的かつ効率的なダイエットを目指せます。
過度な食事制限や「夕食を抜き続ける」といった行為はおすすめできません。かえってリバウンドにつながったり、過食の原因になったりするでしょう。食物繊維やたんぱく質、ビタミン・ミネラルを意識し、規則正しい食生活を心がけてください。
【出典】
新谷弘実(2005)「病気にならない生き方」サンマーク出版
新谷弘実(2008)「図解 病気にならない生き方」サンマーク出版
厚生労働省|食物繊維の必要性と健康
厚生労働省|食物繊維(しょくもつせんい)
厚生労働省|たんぱく質(たんぱくしつ)
厚生労働省|ミネラル(みねらる)
厚生労働省|不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)
厚生労働省|高血圧
厚生労働省|リン