デトックスの基本は老廃物を体外に出すこと
デトックスとは
デトックスとは、体内にある老廃物や有害ミネラル、有害化学物質等を体外に出すことを言います。
老廃物、有害ミネラル、有害化学物質等を体外に出すことで、腸内環境が整い、腸の働きが良くなります。
さらに、体内にある他の老廃物も体外に排出されます。その結果、肌がキレイになったり、むくみが解消されたり、慢性的な肩こりや冷え症も改善されます。
デトックスが必要な理由
現代社会において、私たちは、食事・皮膚・呼吸などから自然に有毒な物質(毒素)を体に溜め込んでしまっています。
胃腸の中には約100~400種類、100兆個以上の腸内細菌がいるといわれています。
腸内細菌は体を健康に保ち、酵素を作ったり、腸の消化吸収を正常に保つ役割を果たしています。
しかし、動物性蛋白や脂肪食、アルコール、抗生物質等の薬物を取り過ぎると、腸内細菌のバランスが崩れ異常発酵が起こります。
免疫力や抵抗力、治癒力が弱まるばかりではなく、胃相・腸相を悪くし、長期的にはガンや糖尿病などの病気につながります。
動物性蛋白質を大量に摂りすぎると、胃腸で分解しきれなくなり、腸内で腐敗を起こし、たくさんの毒素と活性酸素(フリーラジカル)を作り出します。
こういった有害物質は、体の老化を早め、様々な病気の原因になりかねます。
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食べ物で体外に出す
毒素の排出力を高めるためには、体にとって不可欠な物質である酵素を体に取り入れることが大切です。
無農薬・有機栽培・無添加の食材には、酵素が豊富に含まれている上、体内における解毒の負担も少ないため、酵素の浪費を防ぐことができます。
また、解毒・排出力を高める食材もおすすめです。
食材には大きく分けて3つのタイプがあります。
例えば、硫黄化合物を含む長ねぎ、にら、玉ねぎ、にんにくなどです。
例えば、ブロッコリーやカリフラワー、キャベツ、大根などのアブラナ科の野菜などです。また、無毒化するミネラルであるセレニウムはにんにく、長ねぎ、玉ねぎ、海藻類に多く含まれます。
食物繊維を多く含むリンゴやごぼう、きのこ類、海藻類などです。
また、よく噛むことも大切です。
よく噛むと分泌される唾液の量は増えますが、胃腸での消化・吸収に使われる酵素の量は少なくなり、トータルで見ると酵素の消費を抑えることができます。
よい水を飲んで出す
胃腸をはじめ体の中の細胞には常に新鮮な水が必要です。
これは木や草も同じです。新鮮な水で体の中の老廃物や毒素を素早く外へ出すのです。
流れる川が澄み、澱んでいる川が汚くて往々にしてばい菌や虫の住み家となってしまうように、体の中の水の流れも常にサラサラとよどみなく行くようにしなければなりません。
水には、老廃物や毒素をすみやかに排除し、体の中の解毒作用を促進する作用があります。
そして、老廃物や毒素を排出し、腸内細菌や酵素の活性化を促します。人間の細胞は、水分が行き渡らないと栄養不足になる上、細胞の中にたまった老廃物や毒素を排出できなくなり、さまざまなトラブルを起こします。
飲んだ水が皮膚の細胞に届くのは早く、飲んでから15~20分で皮膚の表面に達し、みずみずしくなめらかな状態を取り戻します。
飲んだ水が細胞全体にまで達し、体を構成している細胞の内外は新しい水で満たされて新しいエネルギーを生じさせ、老廃物を排出するのです。
水を飲むときには、塩素が入っている水道水や純水、蒸留水などは避けましょう。
以下の水がおすすめです。
○マグネシウムやカルシウムなどミネラルがバランスよく入っている硬水
○マグネシウムを多く含む「海洋深層水」
○自然から出てくる湧き水、名水(抗酸化作用がある)
マッサージをする
デトックスをする上では、老廃物を運ぶ働きをもつ血液やリンパの流れを活性化させることが大切です。
その方法の1つに、シャワーを使ってマッサージする方法があります。
まず温水のシャワーを鎖骨にあて、リンパの流れを活性化させます。
次に、つま先からひざ、ふともも、股関節へ向かってゆっくりとシャワーをあて、足をマッサージします。
腕は、指先から手首、ひじ、ワキの下と順にあてていき、最後にはおへそを中心に、時計回りにおなかを刺激します。
シャワーは体の末端から心臓部に向かって当てていくのが、リンパの流れを促すコツです。
お風呂に入浴をする
毒素を解毒、排出するために、半身浴で皮脂腺から汗を出す方法もあります。
お湯の温度を38~40度に設定した湯船に、腰まで約20分間ゆっくりと浸かります。
体が芯から温まって血行がよくなると、新陳代謝が活発になります。
すると、汗とともに体内の老廃物が一緒に排出されます。
また、血行がよくなることで肝臓に送られる血液量が増えます。
すると、利尿作用が高まり、水圧によって血管やリンパ管が圧縮されて血液やリンパ液の流れがスムーズになり、むくみの解消にもなります。
まとめ
現代人の体には、さまざまなかたちで毒素が入ってきています。
食べものには食品添加物や残留農薬、有害ミネラルといった体に負担のかかる物質が含まれていることが多いです。
食べもの以外からも、オゾン層の破壊による強すぎる紫外線、電気機器から生じる電磁波、車の排気ガス、たばこの煙などによる毒素があります。
体には、毒素を解毒・排出する機能が備わっていますが、それにも限界があります。
できるだけ毒素を入れないようにすることと、定期的にデトックスを取り入れることが大切です。
【出典】
新谷弘実(2005)「病気にならない生き方」サンマーク出版
新谷弘実(2008)「図解 病気にならない生き方」サンマーク出版
新谷弘実(2008)「胃腸は語る」弘文堂
総合南東北病院健康倶楽部