本来、人間の体は、病気にならないように何重もの免疫システムに守られています。そのため、病気になるのは、免疫力が低下するからともいえます。
特に胃腸は、食事の度に何億ものばい菌と戦う、免疫システムの最前線です。
便が臭い原因は、体からの異常のサインです。原因、改善方法を知って、正しい生活習慣を送りましょう。
便が臭い原因とは?
ガスや便の臭いは、腸内のようすを教えてくれる大切なシグナルです。腸内がスムーズに流れているときは、ガスは少なく、便もあまり嫌な臭いはしません。
ガスが多く、便が臭いのは、食物繊維や水分の不足により、便が腸内で腐敗し、有毒ガスが発生していることが原因です。便秘でなくても、ガスや臭いが気になる場合は、腸内に毒素がたまっている危険性が高いです。
食生活を改めるとともに、たまっている毒をを排出する努力が必要です。
腸内環境悪化、腸内の腐敗が原因
ガスや便の臭いがくさいときは、腸内で腐敗がすすんでいます。
しかし、便秘で便が排泄されるまでに2日以上かかると、食物のカスや老廃物、有害ミネラルなどの毒素を長時間体内にため込むことになります。
腸内の温度は36.5℃のため、毒素を長時間体内に入れておくと腸内で腐敗がすすみ、有毒ガスが発生することで便が臭くなってしまいます。
腸内の温度は36.5℃のため、毒素を長時間体内に入れておくと腸内で腐敗がすすみ、有毒ガスが発生することで便が臭くなってしまいます。
食物繊維不足
食物繊維は、便秘や腸内環境と深い関わりがあります。
・有害物質の吸着
・大腸の蠕動運動の促進
・便の硬さの調節
・善玉菌を増やす
・悪玉菌を減らすなどの働きをします。
食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられます。
この二つは、役割は異なりますが、どちらもバランスよく摂取しなければ、便秘や腸内環境の改善にはつながりません。食物繊維は、植物に多く含まれる成分です。
消化されにくい繊維質であることから、腸内クリーニングには欠かせない栄養素です。
動物食の摂り過ぎ
老化の最大の原因は酸化ですが、腸内環境を悪化させる要因も、酸化にあります。
そのため、腸相を悪化させる動物食の摂り過ぎ、特に肉の過剰摂取は、老化の促進につながります。肉が体を酸化させるのは、食物繊維が少なく、腸の流れを悪化させることが停滞便を作り出すからです。
停滞便は腸内に大量の毒素を発生させ、その毒素が腸壁から全身へ回ることで体は酸化していきます。動物食を常食しているアメリカ人の腸は、固く、短く、粘膜にもひだが多発していることが多くあります。
腸の内腔が狭く、宿便の残存が多い場合は、良い腸相ではありません。腸が固くなると、宿便がたまりやすくなります。
そのような腸相にかぎって、大腸けいれん症、憩室症、大腸ポリープや大腸がんになる人が多いです。また、このような人はほとんどが肥満であり、年よりもずっと老けて見え、高血圧、心臓病、糖尿病、高コレステロール症、高尿酸症などがある場合が多く見られます。
さらに、前立腺がんや乳がん、肺がんも、動物食に偏った食事によって多くなります。
ストレスが多い生活を送っている
ストレスは、体内の酵素を消耗させる要因です。
ストレスで脳が疲労すると、体内酵素を大量に消費してしまいます。
腸相をきれいに保つためには、酵素を多く含む食品を摂るだけではなく、酵素を消耗させない生活習慣も大切です。
酵素が不足する理由
酵素は不規則な生活、たばこやお酒、酸化した食物の摂取、動物食の摂り過ぎ、疲れなどで減少します。特に体がもっとも酵素を消費するのは、解毒するときです。
毒素を生み出す悪い生活習慣が健康を損なうのは、解毒で酵素を大量に消費してしまうため、健康維持に必要な酵素を十分に作れなくなってしまうからです。
飲酒・喫煙
たばこを吸ったりお酒を飲んだりすると、肺や肝臓にダメージが与えられます。
また全身の毛細血管が収縮してしまうことで、水や栄養、酸素が行き届かず血液やリンパの流れが阻害されます。そうなることで、老廃物が排出できず毒素が生まれるのです。
毒度がフリーラジカルや活性酸素を大量に生み出し、その解毒のために多くの酵素を消耗させ健康が蝕まれていきます。お酒とたばこは自分の意志で止めることができるため病気になる前に悪習慣を断ち切る努力をしましょう。
食べすぎかつ酸化した油をよく摂っている
「酸化」とは物質が酸素と結合することですが、わかりやすくいうと「錆びる」ことです。古くなった食物はそれだけ「酸化がすすんだ食物」ということです。
こうした酸化した食物が体内に入るとフリーラジカル、特に活性酸素を作り出す原因になります。
つまり、酸化した食物を食べていると体内にフリーラジカルを大量に生み出してしまいます。
酸化した食物は酵素が失われてしまっているか、残っていたとしても非常に少ないため、体は十分なミラクル・エンザイムをつくることができません。
その結果、フリーラジカルを中和できず、健康を害するという悪循環が生まれてしまいます。
酵素を摂って活性化し、臭い便とおさらば!
細胞内の便秘状態を改善するのは、酵素です。
年をとると免疫力が低下するといわれるのは、細胞内に蓄積されたタンパク質のゴミが、ミトコンドリアのエネルギー産生を妨げ、活動を鈍らせているからです。酵素を摂って活性化されることで、細胞内のゴミが取り除かれ、再利用することもできます。
食事バランスを見直し、活きた酵素を摂る
日常生活、食生活を見直し、活きた酵素を摂ることで、免疫力、生命力、細胞を再生する力がアップします。
特に食生活ではフレッシュな活きた酵素をたくさん含む食べ物を多く摂るとともに、酵素を消耗しない生活を送りましょう。
活きた酵素が多く含まれる食物とは、「生」のものです。野菜でも穀物でも、できるだけ生きているもの、新鮮な物を選びましょう。
「適度」な運動
水泳や、ウオーキング、ストレッチなどの「適度」な運動は、免疫力を高める効果があります。
人間の体には
- 血液・リンパ
- 胃腸
- 尿
- 肺から取り込んだ空気
- 気の流れ
という5つの流れがあります。
これが滞ることなく流れることが、健康維持には必要です。この流れをよくするのが運動です。
全身を動かすことによって、基礎代謝、免疫力、抵抗力、気力などが高まり、体内酵素を活性化させます。
しかし、運動のしすぎは、体の中の活性酸素を増加させるため、かえって細胞が老化につながり、体調が不安定になってしまいます。
十分な睡眠
睡眠は、体内酵素を活性化させ、免疫機能を向上させます。
十分な睡眠をとり、免疫力をアップさせ、体内酵素を豊富に保つための生活習慣を作りましょう。
睡眠不足は免疫機能や代謝機能などの生命維持機能を低下させることに加え、循環器系にも負担がかかります。そのため、心臓病や脳卒中になる確率が3~4倍も増加してしまいます。
また、昼寝や休憩をとることも体内酵素が生成され、体の回復がはやく済みます。たった20~30分程度の昼寝でも、これだけで、血液やリンパの流れ、神経や内分泌など、体全体の機能の低下を正常に戻すことができます。
疲れや眠気を感じたら、目を閉じて、楽な姿勢で休むことを心がけましょう。
まとめ
健康のため腸内環境を整えるために、何を食べるかということが大きな要因となります。
フレッシュで、酵素が多く含まれた食物を食べていれば、必要以上にフリーラジカルができることもない上に、体内のミラクル・エンザイムの消耗が防げるため、生命のエネルギーがどんどん高まっていく好循環が生まれます。
しかし、忙しい現代社会で、理想通りの食生活を送ることは困難な場合もあります。そのようなときは、サプリメントで不足している栄養素しっかり補い、無理なく続けることが大切です。人間に必要な酵素は、細胞のほかに、腸内細菌も作り出してくれています。
したがって、腸内環境を整えることは、腸内細菌を助け、酵素を増やすことにもつながっています。
【出典】
新谷弘実(2005)「病気にならない生き方」サンマーク出版
新谷弘実(2008)「図解 病気にならない生き方」サンマーク出版