「3日間ファスティングのスケジュールが知りたい」
「どのような効果や注意点があるのだろう?」
3日間ファスティングは胃腸を休ませることで、体重の減少や腸内環境の改善が期待できるでしょう。ただし、身体に負担をかけてしまうため、しっかりとスケジュールを組むことが大切です。
本記事では3日間ファスティングのスケジュールや具体的な効果、注意点を紹介します。
3日間ファスティングのスケジュール
はじめに、3日間ファスティングのスケジュールを紹介します。一般的なスケジュールは次の通りです。
ファスティング前 | 3日間の準備期間 |
---|---|
ファスティング本番 | 3日間 |
ファスティング後 | 3日間の回復期間 |
ファスティング前:3日間の準備期間
ファスティング前には、3日間の準備期間を設けましょう。
1日目 | 通常通り食事を摂ります。必要に応じて、水分摂取や適度な運動を行います。食事内容に注意し、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。 |
---|---|
2日目 | 軽食や消化の良い食事を摂ります。生野菜や果物、スープなどがおすすめです。食事の量を減らし、胃腸を休めます。 |
3日目 | できるだけ固形食品の摂取を避け、胃腸を軽減させます。水分摂取を重視し、脱水症状を予防します。 |
準備期間の最中に調子が悪くなった場合、3日間ファスティングを延期することも大切です。また、3日間ではなく16時間(15時間)、1日ファスティングなどに切り替えることも検討しましょう。
ファスティング本番:3日間
準備期間が終わったら、3日間のファスティングをはじめます。
1日目 | 水分をしっかり摂取します。水やハーブティー、炭酸水などノンカロリーの飲み物を積極的に摂ります。 |
---|---|
2日目 | タンパク質が足りない場合はプロテイン、ミネラルやビタミンが欠けている場合はサプリメントの使用なども考慮します。 |
3日目 | 身体の状態や体調を常に観察し、異常があれば適切な措置を取ります。激しい運動は避け、ゆっくりと過ごします。 |
かならずしも「3日」にこだわる必要はありません。体調をしっかりと確認しながら、必要に応じて1日、2日で切り上げることも大切です。
ファスティング後:3日間の回復期間
最後に、3日間の回復期間を設けます。
1日目 | ゆっくりとファスティングを解除します。軽い食事を摂りますが、消化しやすいものや栄養価の高いものを選ぶようにしましょう。 |
---|---|
2日目 | 食事内容を徐々に増やしていきます。消化しやすい食材から始め、野菜や果物などを摂ります。 |
3日目 | 食事内容を通常の食事に戻していきます。バランスの取れた食事を摂りますが、消化の良い食材を優先します。 |
大切なのは、「ファスティングが終わったから」といっていきなり脂っこいものやカロリーの高いものを摂取しないことです。ファスティング後は消化や吸収力が高まっているため、体調を崩してしまう恐れがあるでしょう。
3日間ファスティングの基本
3日間ファスティングはやみくもにはじめるものではありません。しっかりと基本を抑えておくことで、成功確率や効果を高められる可能性があります。
3日間ファスティングの基本とされているものは以下の3つです。
- 食事はすべて飲み物で済ませる
- 飲み物は基本的に水にする
- いきなり断食を始めない
食事はすべて飲み物で済ませる
3日間ファスティングでは、食事をすべて飲み物で摂ります。3日間ファスティングの目的は、胃や腸の動きを休めることだからです。
一日三食を心がけている場合なら基本的に問題ありませんが、間食が多かったり食べすぎたりしている場合、胃や腸にダメージが蓄積されてしまう可能性があります。場合によっては、胃や腸の動きが悪くなる場合もあるでしょう。
このような事態を改善するために、3日間ファスティングでは固形物を避け、胃や腸を休ませます。
飲み物は基本的に水にする
3日間ファスティングで体内に取り入れるのは、基本的に水がおすすめです。お腹が空く場合は、水をこまめに摂取したり、少量のナッツを食べたりしても問題ありません。
また、軽い運動は一時的に食欲を抑える働きがあるとされています。足踏みや屈伸など、心拍数が120を越えない簡単な運動を実践してみましょう。
いきなり断食を始めない
3日間ファスティングでは、断食前の前後に3日間の準備期間と回復期間を設けることが推奨されます。いきなり断食を始めると身体に負担がかかり、体調不良や栄養不足のリスクが高まる可能性があるでしょう。
準備期間では、徐々に食事を制限し、消化器官に負担をかけないようにします。具体的には、軽い食事や低カロリーの食事を摂ります。
また、回復期間では、消化しやすい食事からはじめることがおすすめです。例えば、野菜や果物などです。
3日間ファスティングで期待できる効果
3日間ファスティングでは、さまざまな効果を期待できる可能性があります。示唆されている効果は主に以下の5つです。
- 体重を減少させられる
- 腸内環境が整う
- 免疫力がアップする
- 肌質を改善できる
- 新陳代謝が活性化する
体重を減少させられる
3日間ファスティングを行うことで、体重を減少させる効果が期待されます。断食中は食事を制限するため、カロリー摂取量が極端に減少します。その結果、オートファジーが働き、脂肪を燃焼しやすくなるでしょう。
オートファジーとは
ただし、かならずしもダイエット効果があるわけではありません。また、短期では体重減少効果が見られても、簡単にリバウンドしてしまう恐れがあるでしょう。3日間ファスティングを成功させたあとは規則正しい生活を心がけ、筋力を付けて太りにくい体を築くことが大切です。
腸内環境が整う
3日間ファスティング中は消化器官に負荷がかからず、腸の休息や修復が促進されます。腸内に棲む善玉菌の増殖が促され、悪玉菌とのバランスが改善される可能性があるでしょう。
腸内フローラのバランスが整えば、腸内の老廃物や毒素の排出が促進されると考えられています。
関連記事:
腸内フローラを整えるカギは腸内細菌。腸内環境を改善して健康な生活を
免疫力がアップする
3日間ファスティングによって腸内環境が整えば、免疫力の向上が期待できます。
ただし、ファスティングがかならずしも免疫力アップに直接貢献するとはいえません。日頃から栄養バランスの取れた食事を心がけ、適度な運動や規則正しい生活も大切です。
肌質を改善できる
3日間ファスティングで老廃物が排出されたり免疫力が高くなったりすると、肌質の改善が期待できるでしょう。
腸内に存在する悪玉菌の割合が増えると、毒性のアンモニアやアミン、硫化水素などの有害物質が分泌されます。これらの物質は、肌トラブルなどを招く恐れがあります。
効果的に3日間ファスティングを成功させることができれば、悪玉菌の割合を減らし、体内の毒素を排出できる可能性があるといえるでしょう。
新陳代謝が活性化する
3日間のファスティングは新陳代謝の活性化も期待できます。体内に貯蓄された糖やグリコーゲンを使って代謝が進むためです。
また、胃腸の働きが改善されればエネルギー効率が良くなり、基礎代謝量が増える可能性もあるでしょう。
関連記事:
代謝が低下する症状と原因とは?新陳代謝とダイエットは関係ある?
3日間ファスティングの注意点
3日間ファスティングにはさまざまな注意点があります。特に気を付けたいのが以下の3つです。
- しっかり水分補給する
- 体調を崩したら中断する
- 過度な運動は避ける
しっかり水分補給する
3日間のファスティングを行う際の注意点として、しっかりと水分補給をすることが重要です。固形物を食べることによる水分量が減ってしまうため、水分不足に陥る可能性があるからです。
人間は食事によって、1日に1.0リットルの水分を補給しているとされています。つまり、3日間ファスティングは食事をしない代わりに、1.0リットル多く水分を摂取しなければなりません。1~1.5リットルを目安に、水分を補給しましょう。
ただし、一度に大量の水を摂ることは避けましょう。体温を急速に低下させてしまう恐れがあるでしょう。時間をかけて均等に摂取することがおすすめです。
体調を崩したら中断する
ファスティング中に体調が崩れたり不調を感じたりした場合は、無理をせずに中断することが大切です。例えば、次の症状に注意してください。
- めまい
- 倦怠感
- 頭痛
- 吐き気
- 意欲の低下など
これらは体が十分な栄養やエネルギーを必要としているサインといえるでしょう。
過度な運動は避ける
3日間ファスティング中は、エネルギーとなるタンパク質の摂取が最小限に抑えられています。そのため、過度な運動は体調不良を引き起こす可能性があるでしょう。
運動する際はウォーキングやストレッチなど、適度なものに留めておくことがおすすめです。
関連記事:
適度な運動の目安と効果とは?おすすめの健康的なやり方
3日間ファスティングをやめておいたほうがいい人
3日間ファスティングはすべての方におすすめできるわけではありません。以下の方は控えておくことをおすすめします。
- 妊娠中・授乳中の女性
- 月経中の女性
- 未成年
妊娠中・授乳中の女性
妊娠中や授乳中の女性は、3日間ファスティングを行うことを避けるべきです。自身の体と赤ちゃんの健康を最優先に考える必要があるためです。
無理にファスティングすると、次のようなリスクにつながりかねません。
ダイエットを試みる際も、3日間ファスティングではなく、医師に相談のもと食生活や生活習慣の改善によって体重減少を目指すことがおすすめです。
月経中の女性
月経中にファスティングを行うのはおすすめできません。ホルモンバランスが乱れてしまう可能性があるでしょう。
ファスティングは体に負荷がかかるため、月経中の女性は適切な栄養摂取と休息を重視することがおすすめです。
未成年
ファスティングは食事制限を伴うため、未成年者の成長に悪影響を及ぼす可能性があります。未成年者はまだ成長期にあるため、十分な栄養を摂取することが成長や発育にとって重要であり、栄養素が不足することは好ましくありません。
また、未成年者は身体的な成長だけでなく、学業やスポーツなどのさまざまな活動に取り組む機会が多いため、十分なエネルギーを確保することが必要です。ファスティングは体力や集中力の低下につながる可能性があるため、できる限り避けましょう。
3日間ファスティングをはじめてみよう
3日間ファスティングは身体に対する負荷がかかる一方で、16時間や1日ファスティングより胃腸を休められます。腸の老廃物を排出でき、脳腸相関で頭もすっきりするでしょう。また、若々しく太りにくい身体づくりにも役立ちます。
3日間ファスティングが難しい場合、週に一度、1.5日の短期間でも効果が期待できるでしょう。ファスティングを日常に取り入れて、健康的な体作りを目指してみてください。
3日間ファスティングに関するよくある質問
16時間断食とどちらがおすすめ?
どちらがおすすめかは、個人の健康状態や目的によって異なります。
3日間ファスティングは3日間にわたって胃腸を休ませられる一方で、身体に大きな負荷をかけます。対して、16時間断食は1日で完結するうえに、身体の負担も比較的少ないといえるでしょう。
断食をまったくやったことがない場合、16時間断食からはじめるのがおすすめです。
関連記事:
16時間断食とは?メリット・デメリットややり方を詳しく解説
3日間ファスティングを成功させるコツは?
3日間ファスティングを成功させるためには、以下のコツを守ることがおすすめです。
- 準備期間を設ける
- 水分をしっかり摂取する
- 栄養価のある飲み物を用意する
- 十分な睡眠を確保し、ストレスを軽減する
- 体調が悪化した場合は、無理をせずにファスティングを中断する
これらのコツを守りながら、自分の体調や限界に合わせたファスティングを行うことが成功への近道です。
3日間ファスティングしたら何キロ痩せる?
3日間ファスティングによる体重の減少は個人によって異なります。
また、ファスティングによる体重減少は、主に体内の水分や糖分の消費によるものであり、一時的なものに過ぎません。効果的に痩せたい場合、痩せにくい体作りや食生活の改善が大切です。
【出典】
新谷弘実(2005)「病気にならない生き方」サンマーク出版
新谷弘実(2008)「図解 病気にならない生き方」サンマーク出版
首相官邸|オートファジー研究が開く医学の新境地(2017年秋号)
厚生労働省 e-ヘルスネット|中性脂肪 / トリグリセリド(ちゅうせいしぼう)
厚生労働省 e-ヘルスネット|健康づくりのための睡眠指針検討会報告書
厚生労働省|妊娠中・産後のママのための食事BOOK(片面)